若い頃の居場所、健在!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう30年も前に自分がいた場所がまだちゃんとあることはホントに嬉しい。学生の頃、1日の大半それは1月の大半であり1年の大半を過ごした場所。高校生の頃からとにかく喫茶店が大好きだった僕は、東京に来てまず最初に探したのが“住みかとサ店”。そしたら自分が通う大学の正門の真横に、これまた居心地のイイ喫茶店があったのだ。マグレ合格(1浪後8戦1勝7敗という奇蹟の合格)をした大学の横にお気に入りの喫茶店、しかも大好物のナポリタンが看板メニュー…これは運命とさえ感じたほどだ。通りに面した出窓の席がお気に入りで、路駐した自分のバイクを見ていられるし、カッ飛んでいくバイク達を眺めて過ごすこともできた。「ヤスダならソコにいるよ」と言われるくらい、とにかくソコにいた。昔CB72に乗っていたというジョン・レノン好きのマスターはバイク乗りに寛大で、GTサンパチに乗る常連客のカッちゃんがバイクのことをいろいろ教えてくれた。奥さんのミキさんにはよく子守りを頼まれ、娘のあゆみちゃんとは裏の公園でよく遊んだ。しかし卒業するとなかなか寄ることができず、前の通りをカッ飛んでいきながら横目で見て“やってるやってる”と思いながらも寄れなかった。それから20年ほど経ってふと立ち寄ると、マスターもミキさんも大して変わってなく、何よりマスターの作るナポリタンが何も変わっていないコトに驚いた。それからちょくちょくヒトを連れてマスターのナポリタンを堪能しに行っていたのだが、昨年そのマスターが突然他界したのだ。半年ほど店が閉まっていて、再び店が開いてから知った。昨年はとにかく知り合いを失った年だった。それでもミキさんが「一度大改装してまた続けるわ」というので、待っていたらまた知らないうちに開いていた。十分に大人になったあゆみちゃんと切り盛りしている。「カンちゃん(マスター)ほど美味しくないかも」というミキさんのナポリタンは、それでもちゃんとマスターの味がした。出窓も健在。夏の日に輝く自分のバイクを眺めながら、昔と同じようにナポリタン大盛りを平らげた / YAS

店内

ナポリタン

 

 

 

 

 

 

MIKI HOUSE

明治大学和泉校舎正門右隣のマンション1F