いつもの秋祭り

ストバイ編集部のある東京・世田谷区三宿は、普通の住宅地であり、ちょっとトーキョーっぽいヒトビト、いわゆる“世田谷人”のエリアでもあるワケだけど、毎年、9月の最後の週末は、編集部の前の遊歩道で縁日が出る。お隣ともいえるこの地の氏神様を祀る三宿神社の秋祭り。10年ほど前、いまの場所に編集部/事務所を開いて迎えた初めての初秋のある日、いきなり縁日が始まってビックリしたけど、いまでは秋の風物詩だと思えるようになった。それでも、そのときから一番驚いてるのは、子供の数なのだ。ちかくに、小学校も幼稚園もあるから当たり前なワケだけど、普段そんなに子供を見かけるわけじゃない。それが秋祭りの縁日の日には、編集部の前が子供だらけ(…名古屋弁では“子供まるけ”)になって、それはそれは無邪気な顔で、輪投げや金魚すくいや型抜きに夢中になってる(…僕も毎年輪投げはやりますよ)。普段ゲームとかに夢中になってるんだろう子供たちが、こんな昭和の旧式な縁日の遊びにお金まで使って夢中になる姿を見ると、自分の子供時代と変わらないもんだなと安堵を覚え、子供の世界が進化したように見えて、やっぱり何も進化していないよなと思ったりする。いや、子供に限らず自分たちだって何も進化しちゃいないんだ、スマホの5とか慌てて手に入れたってね。そんな旧式人間を毎年安心させてくれる秋祭り。お参りをしてから輪投げをして、たこ焼きとゲソ焼きでビールです、いい気分いい気分。