[SR500F.I.]バルブクリアランスは問題ナシでも虫食い…。


来週末は毎年恒例、英車ミーティング[BRITISH RUN] 取材のため岡山までオートバイ……英車のヒトたちと一緒に走ると思うと、やっぱり4気筒KZより単気筒SRの方が排気量はもちろん、排気音や加速感も含め波長が合うため走りやすい。というわけで、先日のブレーキホースに引き続き、ロングツーに向け気になっていた部分を整備。

 

左が排気側。右が吸気側。排気側はなかなかの虫食い状態でした。

まずはバルブ・クリアランスの調整。よく言われているのが、規定値よりもクリアランスが広い場合にカチカチと鳴り始めるタペット音。多くは冷間時は音が大きく、エンジンが暖まると各部が膨張することで、少し音は小さくなる……というモノ。僕自身、漠然とこうした話だけがアタマに入っていたため、タペット音が気になり始めた時がバルブクリアランスの調整タイミングだと思っていました。ところが、前回の調整&バルブアジャスティング・スクリューの交換から1万キロ走っても2万キロ走っても音は鳴りません。そして3万キロを超えた頃に、気のせいかな? 程度にたま〜にカチカチ聞こえたかな!? ということが起こり始めました。気のせいかな? というのは、先ほどの「冷間時に音が大きく暖まると小さくなる」パターンに該当しなかったから。ふと気づくとちょっとカチカチ聞こえるなぁ……な感覚。まぁ距離も走っているし、バルブアジャスティング・スクリューも一本1000円程度なので、このタイミングで様子を見たというワケです。すると……↑↑↑↑↑の状態!!


バルブクリアランスの調整や計測は一日置いてエンジンが完全に冷えてから。また写真にはありませんが、計測前のカムチェーンの確認・調整も必須事項。エンジン左側のジェネレーターカバーを外し、19mmレンチでクランクシャフトを反時計方向に回しピストンが圧縮行程にある時に、ACマグネトーの“T”マークをクランクケースの合いマークに合わせる。この状態がピストンの圧縮上死点。ここで初めてシックネスゲージでクリアランスの計測。

SRのバルブクリアランスの規定値は、
吸気側=0.07〜0.12mm
排気側=0.12〜0.17mm

測ってみると吸気側=0.10mm / 排気側=0.15mmと、どちらもクリアランスは規定値内。念のためバルブアジャスティング・スクリューを外してみると、吸気側は偏摩耗、排気側にいたっては虫食い状態だった!? というワケです。

 

こちら新品。税込一本972円。高いパーツじゃないので、なんだかな……と思ったら交換した方が気持ちいいですね。


まずは吸気側から交換・調整。僕は音が静かな方が良いため「徐々にスクリューのアタマが摩耗しクリアランスが広がっていくのなら…」と規定値のもっとも狭い側で調整しています……が、あまり音に神経質になり過ぎ、狭い側を追求し過ぎてしまうと、万が一調整を間違えた場合、バルブを押してしまい圧縮漏れを起こしてしまうこともあるため要注意です。


続けて、排気側の交換・調整。こちらもクリアランスは狭い側0.12mmで調整。

果たして、この摩耗/虫食いがたまに聞こえていたカチカチ音の原因だったのか!? は現時点では定かじゃありませんが、カムチェーンの調整も含め、エンジンを始動しても音は格段に静かになりました。大きな音が出ていなくても、気になったら定期的にチェックした方がいいんですね、やっぱり。

 


ついでにエアクリーナーエレメントも交換。あとはオイル交換を終えれば来週末の関西出張“野宿”ツーリングの準備は万端。今回は久しぶりにエンジンオイルの種類を変えてみるのでこれまた楽しみです。時間があれば大阪モーターステージで、フィーリングが激変した新型SRに近づけるために、ちょっと考えている燃調セッティングにも挑戦する予定。

エイ出版刊エイムック「the Sound of Sinles SR vol.9」3月23日発売/1500円+税

燃調については、この前作ったエイ出版のSR本の開発(燃調)担当者のロングインタビューは必見です。気になることを根掘り葉掘り聞いてきましたので、時間のある時にじっくり読んでみてください。インジェクションの可能性はもちろんですが、燃料の濃い/薄いでこう変わる、点火時期の早い/遅いでこう変わる……といった話を、メーカーの開発担当の方がじっくり話してくれています。

 

in SHIVA by Street Bikers.