[SR500F.I.]初めてのヒューズ切れ。原因究明-2


編集部に戻りマニュアルを確認し、まずは全体の配線図をチェック……すればいいものを、ヒューズが切れた結果としてフューエルポンプが作動しなかったことが頭の中を支配してしまっていた僕は、“フューエルポンプ系統”のトラブルシューティング&配線図から確認し始めてしまったのでした。この配線図から推測すると怪しいのは、当然、自分で触ったヘッドライトケース内部に配線があるメインスイッチ関連とキルスイッチ関連、その次がフレームアースにフューエルポンプリレーにフューエルポンプ……となる。順番からすると、1:メインスイッチとキルスイッチの配線確認と各接点の洗浄、2:フレームアースの確認、3:フューエルポンプリレーの交換。しかし思い返せば、これが原因究明を長引かせたミスの始まりだったのでした。



レッカー車にて編集部に運ばれてきた翌日、岡山の山中と同様、まずは再びヘッドライト周りの配線のカプラーをいったん全て外し、もう一度各配線を念入りにチェックし付け直す。また、鍵やキーシリンダー内部のディスク等の削れた鉄やアルミの粉が悪さをしているかもしれない!? と、キーシリンダー内部をパーツクリーナーでできる限り洗浄。そして切れたヒューズを取り替えてみると……なんと、またしてもヒューズは切れずにエンジンがかかるのです!? そして試しに編集部周辺をぐるぐる走り回ってもヒューズは切れず、当然エンジンも止まらない。なんだか腑に落ちないまま、恐る恐る12〜3キロある家まで走ってみるも、これまた無事に走り切るのでした。まさか原因はキーシリンダー内部……!? ウ〜ン。


ちなみに[↑]フューエルポンプリレーは、ヘッドライトリレーと同じ部品のためそれぞれを入れ替えてみて正常に動作しているのは確認済み。さらに1000円ちょっとのため、念には念をと新品に交換しました。そしてフレームアースもこのタイミングで確認と洗浄済み。

 

ところが!? それから1週間、故障がウソのように日々の通勤をこなしていたSRが、帰宅途中に家から二駅ほどの距離でまたもエンジンストップ!! やはり原因は同じ場所のEFIヒューズ切れ。たくさん買いためておいたスペアのヒューズに付け替えるも、やはり直後はキーをONにした瞬間に付け替えたヒューズは即座に切れてしまう……夜中だったこともあり30分以上かけ家まで押し、翌日自宅からほど近いオレンジブルバードに緊急ピットイン。一連の症状を話すと、過去に(キャブレター車で)キルスイッチの接点の汚れが原因で同様にヒューズが切れたことが数回あるとのこと。いよいよキルスイッチか!! と、キルスイッチの接点の洗浄(納車以降、一度も掃除したことがないため結構汚れていた!!)とともに、念のためややサビも出ていたヘッドライトケースの中の各配線カプラーの接点もキレイにし接点復活剤を吹いてもらう。

自宅からほど近いオレンジブルバードにてキルスイッチ部分の清掃と各カプラーに接点復活剤を拭いてもらう。

そして、再度ヒューズを付け替えキーONにすると、またもやヒューズは切れない!? のです。当然エンジンをかけても切れない。原因はキルスイッチ!? いや、ここまできてそれも早計だ……やはりどこかの配線の中でのリークを疑い、エンジンをかけた状態でヘッドライトケースの中の配線や左サイドカバー内のフューエルポンプ周辺の配線を2人がかりでしばらく手で揉んでみるも、まるでヒューズは切れないのでした。なんだかスッキリしないまま「様子を見よう」ということになり、途中で止まるのを覚悟で編集部へ向かうと無事に15キロほど走りきってしまったのでした……じゃあ原因は本当にキルスイッチの接点不良だったのか??



それからなんと2週間……


毎日、通勤にSRを使うも一度もヒューズが切れることはなかったのです。前例もあったと言ってたし「こりゃキルスイッチの接点不良だな」とタカを括り、8月4日に栃木で開催されるオールドタイムラン・サマーフェスタをSRで往復(約300キロ弱)できたら、その想いも確信に変わる!? と、半ば強引にSRで栃木行きを決行。そして何事もなく無事に往復できたのでした。これは本当にもう大丈夫か!! とひと安心した翌日……編集部からの帰り道にその時はやってきました……まだ家まで7〜8キロあるところで同じくヒューズ切れにてエンジンストップ。当然、スペアに変えてもキーONでヒューズは即死亡。もう心は完全に折れ、この日は近所に見つけた駐輪場に止め電車で帰宅。翌日ハイエースで回収となりました。

合計4回目の路上ストップ。もはや心も折れかけ、翌日ハイエースで回収…。

なぜ心が折れたかというと……残された可能性は、丁寧に配線を一本一本確認しリーク箇所を探る、もしくはメインハーネスの交換=約3万7000円(金額もさることながらどちらも作業がツラい)。またはメインキー・ユニットの交換=約10万円、もしくはフューエルポンプの交換=約2万5000円……だからです。しかしながらメインハーネスは取り回しも含め、納車以来ほぼ触っていないに等しい部分。フューエルポンプに関しては初のFIモデルでもあるため、何とも言えないものの故障の話はまだ聞いたことがない。それらに比べると、分解できないメインキーユニットはパーツクリーナーで洗浄したといっても鍵穴から吹いた程度だし、おまけにヤマハ車に多いことでもありますが、ずいぶん前から“鍵が回しづらく”もなってもいたのでした。メインキー内部でのリークは聞いたことはあるし、8年乗ってるし……まずはメインキーの交換からかなぁ……はぁ10万円……と、心が折れかけたというわけです。

 

いずれにせよ、根気と時間とお金は必要……と悩んでいた矢先、救世主を見つけたのでした。続く。