[KZ1000]純正流儀でウインカーの後方移設を考える。その2

[左]1977〜’78KZ(Z)1000系のテールライト・ブラケット。[右]1979〜’80 Z1000 MkII の“欧州モデル”で一部採用されていた「ウインカーステー付きテールライト・ブラケット」。

やっとの思いで見つけた僕的超絶レアパーツ、’79〜’80年の欧州モデルZ1000MkIIで採用されていたウインカーステー付きのテールライト・ブラケット。’72年のZ1から’80年のMkIIまでが“前期”、そして“J系”と呼ばれる’81年Z1000〜’85年のGPzまでが“後期”と呼ばれる空冷Zシリーズ。僕の’77〜78 KZ1000を含む“前期”9年間のあいだにテール周りはZ1Rを入れて計4回変わっていますが、手に入れたMkII用(右)と’77〜’78KZ(Z)1000用(左)では形状がハッキリと違います。

’77&’78(奥)と’79&’80(手前)は、テールレンズもシートカウルも形状が違うため当たり前ですが、ステーの形状もまるで異なります。

■[KZ1000]純正流儀でウインカーの後方移設を考える。その1はコチラへ


欧州モデルのMkII用テールライト・ブラケットを手に入れて以来、’70年代に欧州に輸出されていたZシリーズについても調べていたのですが、やはり欧州向けはリアウインカーが後方に移設されているモデルが多く、750/650/400/200/125はMkIIと同様にテールライト・ブラケットにウインカーステーが付くタイプが存在していることを確認。


どうやら小中排気量のZシリーズではテールライト・ブラケットにウインカーステーが付く構造は’74年くらいから採用されていたようで、大排気量モデルでも’79年のMkII以降はむしろこのスタイルが定着。’81年以降の“J”系や1100GP[↑]になると仕向地を問わずリアウインカーはテールライト・ブラケットに付くようになります。こうして見ていくと、むしろリアウインカーを後方移設するためにグラブレールにステーを付けていた’75 Z1B/’76 Z900/’77〜’78 Z1000の4年間の方が珍しいのかもしれません。依然としてその頃の欧州モデル用のウインカーステー付きグラブレールは見つからないため、懸案の「純正流儀でウインカーの後方移設を考える」計画は、じつは空冷Zシリーズでは定番だった!? 「ウインカーステー付きのテールライト・ブラケット作戦」で進めることにしました。つまり、セレーションが付くウインカーステーの部分をKZ1000の純正テールライト・ブラケットに移植する作戦です。

[左]’77〜’78KZ(Z)1000用テールライト・ブラケット。[右]欧州向けZ650もしくはZ400用と思われるウインカーステー付きのテールライト・ブラケット。形状はKZ1000とそっくりですが、650? 400? 用の方が一回り大きくボルトオン装着はできませんでした。

検索の幅がグッと広がったおかげで、イギリスで出品されていたZ650(もしくは400!?)用と思しきウインカーステー付きのテールライト・ブラケット[写真右]を見つけ即購入。MkII用は半ツヤのブラック塗装でしたが、こちらは’77〜’78KZ1000のメッキフェンダーとも相性が良さそうなメッキ仕様だったため、このウインカーステーの部分を移植することに。

英車から国産まで旧車乗りの強い味方のクラシックサイクル・トーキョーさん。店長&メカ後藤さんの幅広い知識と経験はほんと頼りになります。

というわけで、いつもお世話になっているクラシックサイクル・トーキョーさんに持ち込み切り刻んでもらいました。後藤さん、ありがとうございます!!



ステーのメッキを生かしながら、穴を開けたKZ1000のテールライト・ブラケットに溶接。いやぁバッチリじゃないですか!!


テールライト・ブラケット自体の半ツヤ・ブラック塗装も終え、無事に勝手に作った架空の’77〜’78Z1000(欧州仕様)のウインカーステー付きテールライト・ブラケットが完成!!



そして配線を延長し装着! 小中排気量モデルでは’74年辺りからこのスタイルだったことを考えれば、’75 Z1Bも’76 Z900も’77〜’78 Z1000もみんなこの仕様でよかったんじゃないでしょうか!? なんて思ってしまうほど、グラブレール+ステー仕様より落ち着きがあるように思うのですが、いかがでしょうか? 車体側方部のスペースも大きく取れることで積載の幅も広がりますしね。


よほどのことがない限りキックでエンジンをかけることはありませんが、リアウインカーを後方移設できたことでサイドバッグの装着位置にも余裕が生まれ、キックスタート時にカカトとバッグが擦れる心配もなくなりました。

 


’77〜’78 Z1000 欧州仕様の勝手に妄想シリーズ。SR同様、何かが大きく変わったワケじゃありませんが、またひとつ自分にとって使いやすくなったオートバイは愛着が増して嬉しいですね。次回はこれまたSRと同じですが、荷掛けフックを工夫してキャンプツーリングの荷物を積載してみよう。