イチバン寒い頃はナゼかW3修理!? www.com

みんなにあっさりとオイル漏れが見つかった

 

前回、正月2日の長塚セニア兄貴ツー第2弾に、W3で参加した際に、朝の集合場所に行くまでに、シリンダーヘッドとその上のロッカーケースの間からオイルが吹き出るようになってしまいました。集合場所に着くと、さっそく見つけられ“あれあれ?”と皆が心配して集まってくる始末。でも、昨年自分でエンジンを組み上げた僕的には“あぁ、アレだ…”と原因は分かってました。その日はオイルを拭き拭きなんとか帰還しました。

さて数日後には、パパッとマフラーやキャブを外し、ロッカーケース、シリンダーヘッドとバラしていくと、やはり予想どおりの原因……じつは昨年のストバイ誌面では順調に組み上がっていったように書いていましたが、その後に控えた北海道ツーリング取材のために、ゴマカした箇所からのオイル漏れだったわけです。それは、シリンダーヘッドの、ロッカーケースを締め上げるためのボルト孔……12本あるボルトのネジ穴がずいぶんダメになっていて、ヘリサート加工(ネジ山再生加工)もすでに数ヵ所してあったにもかかわらず、タペット調整の度にロッカーケースのボルトを増し締めしていく際に、何本かアヤシい感触の閉まり具合のヤツがあった……ケド、エエィッ!!と目をつぶって帰ってからなんとかしよう、と思って、とりあえずセーフだったわけです。でも、コイツは持って1年かな…と思ってたら、本当にそのとおりになったワケ。

あらま、こんなんだったのか!?

もーヘリサートを外し、全部エンザートに変更だ!!

W1工房・厚木基地で関根さんと、外したヘッドにボルトを入れてみると、ビックリするほどアチコチ向いちゃうし、ネジ山自体も変形してボルトあ入って行かない孔もあり…で、全部やり直すことに。でも、やり直しってできるの?……ヘリサート加工というのは元のネジ山がつぶれた際に、同じネジピッチの専用タップでひと回り大きなネジ山を切り、そこにコイル状のネジ山だけの“ヘリサート”をねじ込んで新たなネジ山を構築する加工方法。ところが、コイツをダメにしてしまうと、さらに大きな孔を開け直し、今度はネジ山を切れるタップ機能が外側に付いたビット/固まりをねじ込んでいく“エンザート加工”を施さねばならなくなる。幸い、W1のシリンダーヘッドのネジ孔周辺には、さらに大きな孔を開け直す肉厚の余裕があったので、モー全部エンザートすることに……これを失敗したらヘッドは使えなくなるので、関根師匠も真剣だ。ボール盤を使ってキッチリ垂直に孔を開け直し、今度はそのボール盤にボルトを加えさせ、そのボルトにはめたエンザートビットを丁寧にねじ込んでいってもらいました。「一度にこんなにたくさんのエンザートをやったの初めてだよ。練習になったよ」と関根師匠もご満悦の様子。僕もひと安心。これでロッカーケースをしっかり締め込めるぜぃ!

これがエンザートのビット。雌ネジの外側にタップ機能がついたネジ山がついている

関根師匠もこんなにたくさんやったのは初めてだそうだ

とはいっても、これまた長い組み立ての道のりが始まりました。まずはシリンダーにシリンダーヘッドを乗せてヘッドボルトを何度も締め付け、ヘッドガスケットを潰し切るのに何日かかかるし、次にロッカーケースを乗せてボルトを増し締めする度に、タペット調整を繰り返すことになるし……慌てない慌てない、工程をできるだけ戻らずガスケットなどを無駄にしないように、ユックリやってきますよ。春が来るまでに間に合えばいいんですからね。

始まりました“増し締め地獄”。まぁボチボチいきます 

 

 

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