春になったことだし…まずはオイル換えとこ。

 

 

 

 

 

 

 

コロナ禍でウチを出るのもなんだかな…とゆー状態な皆さまは、やっぱりオートバイの整備の方へ気がいってるみたいですね。僕はじつは、ちょっと前(3月のはじめ)ですが、オイル交換の走行距離を走ったので、暖かくなる前に換えとこう!と思ってやっちゃったので、意外にやることがありません。

さて、じつはこの“オイル”とゆーのが昔から諸説紛々で、銘柄から始まり、油種、粘度、走行距離&交換スパン、さらには空冷/水冷などエンジンや車種、用途、使用状況などなどいろいろなポイントで、使ってるオイルの決定に至るまでの根拠・理由が語られてきました。長年、多くの人々がオイルについてアレコレ主張し語ってきたわけですが、非常に大グクリに考えてみると、それで大きなトラブルに陥ったとゆーハナシは皆無に等しいわけだから、ある意味どれも“正解”ということになるとは思います。つまり、自分の好みを好みじゃなく、冷静な論拠に基づく選択としたいから、その分だけ物語が生まれてきた、とゆーコトかもしれません。オイル添加剤においても似たような感じで、まさに“信じる者は救われる”的に宗教のようにさえ語られる面も確かなようです……というところをご理解いただいたところで、僕のオイルに関する“好み”のハナシをしてみたいと思います。

まずは油種。鉱物系か化学合成系か……今は“鉱物100%”を100%選んでます。理由は単純、まずは、これまでいろいろなオートバイにいろいろな油種(鉱物・半合成/部分合成・100%化学合成)を使ってきたけど、鉱物系の方が経験上”持ち”がいい気がしているからです。交換スパン(使用走行距離)にも関係してきますが、僕はかなりムカシのアタマなので交換時期は走行5000キロを目安にしてきたのですが、昨今はとにかくナンでも“走行3000キロ厳守”な感じです。で、今一度W3の取説を紐解くと、その頃から今と同じように3000キロとなっていました。でも、この“走行3000キロ”は内容的に同じではない!?……’70年代初頭と50年近く経った今では、鉱物系オイルの内容・性能も格段の違いがあり、おいそれとそのまま受け入れるのができないのです。そこで、僕はオイルの性能アップ分も考慮して、4000〜4500キロを交換の目安にしています。ところが、そうすると化学合成系は大抵の場合アウト!!……実際に、ほとんどの化学合成系は2000キロを超えたあたりからメカノイズが増え始め、2500キロ辺りからオイル量(レベル)はみるみる減っていくからです。なので、3000キロ上限ということもうなづけます。一説によると、劣化した化学合成成分はシリンダー壁面で燃焼ガスによって燃えやすく、煙にもならない形で排気されてしまうそうです。ところが、鉱物系だと、燃えずに粘ってくれるのか、オイル量の目減りは大して起こりません。

もちろん、劣化しきる前に交換すれば良いのですが、年間1万キロ以上走ってる僕としては、1年のうちに4〜5回となると「なんだかなぁ…」と思ってしまい、4000キロは持ってほしいなぁ…と思う気持ちもあるわけで。放熱・冷却という意味でも、水冷のように安定しない空冷、しかも鉄シリンダーのダブワン系は各部のクリアランス(隙間)も広めで、オイルの性能維持が長寿のポイントになる=管理に手を抜けない、わけで……まぁ、年3回ぐらいで性能を維持したいと思うから、鉱物100%を選択してというわけです。ちなみに、僕が100%鉱物オイルで使い続けているのが、アメリカのSPECTRO(スペクトロ)……一言で“石油”といっても、地球上の原産地(大陸)でその素性・成分が異なり、それぞれの産地で石油の性能も違うようで、簡単に言えば、燃やすのにいい石油と潤滑に使うといい石油があるという話です。そしてアメリカ産の場合、有名なのが東部のペンシルベニア産原油で、主に潤滑性能に優れることで有名。今では、精製技術の進歩で他原産地の石油でも大きな差はないとも言われるが、最初から高い潤滑性能を持っている原油がペンシルバニアをはじめとするアメリカ東部原産の石油ということでもあるようで、全米にある他のオイルメーカーでも東部原産の原油を使う例は多いようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とゆーことで、“長持ち・燃えにくい=減りにくい・優れた潤滑性能・安価”が僕の好みなので、断然アメリカ産原油使用の鉱物100%オイル、しかもオートバイに重点をおいて開発製造をするSPECTROスペクトロ(アメリカIntercontinental Lubricants社/輸入元:ドルフィン商会)の粘度10W-40を年間通して使ってます。粘度はマニュアルや取説では10W-40となってるけど、ダブワン乗りの多くは粘度高めの20W-50を選ぶようでもあります。ただ20W-50は、春先や秋口にキックが重く始動性が悪くなるし、夏場の熱ダレ対策と言っても、高温時の40番と50番では気にするほどの差はないのでは?と思っているので、僕としては年中10W-40で通すことにしています。価格については輸入オイルは基本的にオープン価格ですが、1リットル大体1200円〜1500円程度が正規モノの適正価格。ネットを掘れば、もっと安い鉱物系オイルもあるし、あるいは同等価格帯の化学合成油もあるけど、僕の好みとしてはそれくらいが安定した信頼感が持てるし、このSPECTROに1リットル当たり1000円程度の添加剤を加えて、1リットル2500円のちょっと高級なオイルにできたと思ってます(添加剤のハナシはまた今度)。

つーコトで、今のうちにオイル交換がいいかと……あまり距離を乗らない方でも、年2回の交換、つまり春と秋にするのをお勧めします。それはオイルの使われ方が夏と冬では違うから……夏は熱と酸化に耐える状態だし、冬は低温によるオイル成分(ポリマー分子)の柔軟性が低い=硬いのに動かされるわけだし、そのどちらの負荷も同じオイルに課すのは酷なコトだと思うからです。でも、あくまでも“好み”の目安ですからね。

オイルタンクのオイルを抜く時には、デイトナ製フレキシブルドレンというアルミ内蔵のゴム板を使うと、チェンジリンクなどを外さず&他にオイルをかけることなくできます。

W1mtg前夜祭の抽選会でもらった“ステンレスザル”。うっかり落としても、廃油の中を探し回る必要がありません。

オイルタンクのドレンボルトには、百均のネオジウム磁石を3段重ね。これぐらいで、ようやくドレンボルトに、グリス状の微粒子鉄粉が集まる。それも植澤フィルターのおかげで超わずか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エンジン下には、Y商店謹製ドレン付きオイルパン+Uクランク製カートリッジオイルフィルターを装備。エンジン下方に飛び出してるとはいえ、かなりの段差でもどちらもぶつけた事はない。

カートリッジフィルターは軽自動車(ダイハツコペン)用。今回は交換せず、中の廃油を捨て新品オイルを満たしてから再装着。

 

 

 

 

 

 

オイルタンク内の純正金網フィルターも一度抜いてチェック。オイル交換のたびに抜かないと、最下部のゴム部分がタンク内の金具に固着して抜けてしまうことがある。金網には以前は細かなキリコ状の鉄粉が見られたが、今は植澤フィルターのおかげで皆無。

すべてのドレンボルトやフィルターをつけたら、オイルをある程度(全量2.5リットルなので2リットル程度)入れて、左右点火プラグを取り、圧縮負荷のかからない状態で空キックを繰り返す。

空キックを繰り返すと、初めチョロチョロ、後ドバドバ、とオイルが戻ってくる。クランクケースのオイルまで抜いた場合には、こうした空キックを繰り返して、エンジン側にオイルを巡らし直さないと、エンジンをかけた時オイルが行き渡ってなくて焼き付き・抱きつきが生じる可能性があるのだ。

 

オイルを行き渡らせたら、プラグをつけエンジンをかけ、しばらくアイドリングさせる。その後、エンジンを切り、オイルフィラーキャップをとり、レベルゲージをウエスで拭いて、再びオイル注入口に差して油量をチェック。この時マニュアルではフィラーキャップをねじ込んで計測となっているが、僕はねじ込まずにすぐに上げてチェック。アッパーレベルからキャップねじ込み分をさっ引いてチェックすればいい。新品オイルだと透明なのでよく見てチェック。ちょっと入れすぎたかも……余分なオイルはタンクブリーザーから排出され、それがドライブチェーンを潤滑するようにホースを取り回してある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このところタンクバッグは“デイトリップ”タイプから“ロングツアー”タイプのL(増量タイプ)に変えてみました。小さい方がいいと思ってきたけど、ロングツアーの大きさもこれまた良い感じがしました。ウェブショップをご覧ください。

 

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