[Event Report]
—第一回メグロキャンボール烏山— (主催/パイオニアラン・ジャパン)
2021.11.7 @那須烏山市観光協会 山あげ会館駐車場, 那須烏山, 栃木
どこを見渡してもメグロ、目黒、Meguro!!
メグロ・オートバイが日本一集まった!? 凱旋ミーティング。
11月上旬「メグロ・オートバイの里帰り」を合言葉に栃木県那須烏山市におそらくメグロ・オートバイが日本イチ集まった!? (主催者&数々のベテランのメグロオーナーさん曰く)ミーティングが開催されました。これまで知るヒトぞ知る旧車だった“メグロ”ですが、どうやら今春登場したカワサキ“Meguro K3”の効果もあってか、メグロ・オートバイをひと目見ようと多くのライダーも集まり会場は終始大盛況。さながら秋の大旧車ミーティングのようでもありました。
・
・
そもそもメグロ……とは、1924年に創業した国産オートバイの祖とも呼ばれるメーカー〈目黒製作所〉のことで、その名のとおり創業の地は現在の東京・目黒。では、なぜ栃木・那須烏山に里帰りなのか!? と言えば、第二次大戦時に戦火を逃れ工場を移転した先が、栃木・那須烏山だった……というワケなんです。
創業以来、数少ない国産の“大型バイクメーカー”でもあったメグロは、戦前から白バイにも採用され浅間火山レース等でも活躍。それこそ1964年の東京オリンピックでの聖火ランナーの先導を務めた白バイの多くが“メグロ(カワサキ・メグロK2)”だったのは、旧車好きのあいだでは有名なハナシですね。ところが、その少し前……1960年を迎える前からホンダ/ヤマハ/スズキによる高性能な小排気量車台頭の影響もあり業績は悪化。1961年には現・川崎重工業(カワサキモータースジャパン)と業務提携(その後、吸収合併)、メグロの名が冠されたオートバイが発売されたのは1965年が最後となりました。
そうそう、2020年に発表されたMeguro K3でメグロの名は復活しましたね。
振り返ると、全世界で放映されたといわれる1964年の東京五輪での聖火先導シーンは、カワサキ・メグロとして製作されたK2ではありましたが、“元祖メグロ”の最後の勇姿だったのかもしれません。
こちらは会場で見つけた“その聖火ランナーの先導”を務めたカワサキ・メグロK2。その後のカワサキW1シリーズの実質的なルーツでもあるため、ずっとメグロ=W1的バーチカルツインと思っていましたが……どっこい!! 会場に集まったメグロ・オートバイの大半は“シングル=単気筒モデル”だったのです。
・
・
歴史をさかのぼると、目黒製作所による初の自社開発車両は1937年に登場したZ97型で500ccの単気筒モデル。その後、50cc〜600ccまでさまざまな排気量のモデルが登場しますがいずれも単気筒で、目黒製作所が初めて大排気量・2気筒モデルを発売したのは1955年。先ほど1960年を迎える以前に業績が悪化し始めた……と書きましたが、どうやらメグロが名実ともに輝いていたのは、2気筒モデルが登場する以前のハナシ……同じエンジン型式で40〜50年作り続けた英国車じゃありませんが、メグロにとっても単気筒モデルは長年作り続けてきた技術の蓄積と信頼があったのでしょう。ベテランのメグロ乗り&メグロファンから言わせると、メグロといえば……やはり「単気筒」なのだそうです。
・
もっと詳細なメグロの歴史が知りたい方は→コチラへどうぞ。
・
さて、話をメグロ・キャンボールへ戻します。
まずは会場に集まりパレードに参加したメグロ乗りの方々を見ていきましょう。来賓の挨拶もそこそこに赤い絨毯の上にメグロオーナー達が続々と並びます。
主催のパイオニアランジャパンの斎藤さんが、各ライダーにマイクを向け、簡単な自己紹介の後、生まれ故郷の町、那須烏山市街をぐるっと一周する凱旋パレードへ出発します。
見るからにベテランな方々による年季の入ったメグロ・オートバイが続きますが、やはり!? 皆、シングル・メグロです。「新車で買って乗り続けてるよ!」なんて方もいましたが、どのメグロも調子良さそうで、歯切れが良く、どこかのどかな単気筒サウンドを奏でて出発していきます。
・
・
どんどん続きます。
いかがでしょうか!? メグロといえば単気筒……の片鱗をすでに感じさせます。
・
・
まだまだ続きます。
もう、これでもか……と単気筒が続きます。そろそろツインも見たい……と思ってしまうほどのシングル祭り。
・
・
でもまだまだ終わりません。
いやはや、普段滅多にお目にかかれない単気筒メグロですが、不思議とだんだん見慣れてきてしまいます。
・
・
でも、後続にはまだまだメグロが控えております。
もはや「メグロといえばシングルですよね」と言える自信が出てきました。
・
・
25台ほど通過したところでしょうか……K2 そして K1でしょうか!? やっと2気筒モデルが2台登場です。
・
・
もうお腹いっぱいですか? まだまだメグロ祭りは続きますよ。
ベテランから若手(といっても30〜40代!?)までオーナーの年齢層もさまざま。
・
・
[↑]の2台は、なんと岡山から参加のメグロ乗り親子!! この日、ひときわ盛り上がっておりました。ちなみに親子揃って当然、“単気筒メグロ”です。
・
・
さぁ、ようやく最後尾が見えてきました。
しかし、メグロ、目黒、Meguro……いやぁ圧巻。おわかりいただけたでしょうか!? もうほとんどが単気筒メグロばかり。それにしてもすごい台数。メグロ・オートバイが日本イチ集まったというのも納得です。
・
そして、そして、嬉しかったのは……
パレード最後にカワサキMeguro K3乗りの方が登場したこと。貫禄、雰囲気負けておりません。会場には珍しい旧車メグロがこれでもか!? と並んでいるからか、メグロK3、意外と注目を集めてましたね。
その2 へ続く。