[SR500F.I.]レバーは折れたら変えるもんだと思ってた。

[上]1年ほど使用したドッグレッグ・タイプの2010年SRの純正クラッチレバー[中]ストレート・タイプの1992年TZ250の純正クラッチレバー[下]およそ7年使用したTZ250のクラッチレバー

リークの原因追求ブログの途中ですが……ちょっと別の話題を。


何度も書いてますが、2010年から新車で乗り始めたインジェクションSR。およそ8年で走行距離は8万5000キロほど。車検も含め日常メンテは基本的に自分で行っているので、ある程度、状態は把握できていると思っていましたが、最近は考えてもみなかった部分での消耗/磨耗が出てまいりました。先日発見したクラッチレバー自体の磨耗もそのひとつ。



違和感のきっかけは、昨年クラッチケーブルが切れ新品に交換した後でした。しっかり注油もした新品ケーブルにもかかわらず、交換した直後からクラッチレバーがなんだか重たい!? と感じたこと。さらに“遊び”の調整も精度が良くないというか……自分好みにきっちり合わせても、わずかながらすぐに“遊びが増えて”しまうのです。思えばクラッチ周辺は納車以降、何も部品を変えずに使い続けている箇所のひとつ。クラッチ板にプッシュレバーにプッシュロッドと、いよいよ一度チェックしないといけないのかなぁ……と思ってた矢先に、フト確認したのが“レバー”だったのです。

[左]約7年使用[右]新品。レバーを留めるボルトが通る穴が見事に楕円に広がっています。

[左]約7年使用[右]新品。ホルダーにハマる部分の“幅”も磨耗し、不均一に薄くなっていました。


クラッチレバーを外してみるとご覧の有り様!? レバーを留めるボルトが通る穴は大きく楕円に広がり、ホルダーにハマる部分も不均一に磨耗していて、なぜ気づけなかったのか!? と自分の鈍感さにガッカリするほど、上下に左右にとカタカタする状態でした。

ホルダー側も相当長期間磨耗したレバーがカタカタと擦れたのでしょう? ひどい状態でした。

新品ホルダーのレバーがハマる部分の幅は約7mm。

磨耗したホルダーのレバーがハマる部分の幅は約8mm強!? 削れたのでしょうか? 1mmも広がっていました。

当然、レバーが付くホルダー側の磨耗もそれなりにヒドい状態で、レバーがハマる部分の幅は約1mmも広がっていました。まだクラッチが“滑る”状態ではなかったため、「クラッチ操作が重たく感じたり、遊び調整がきっちり出来ない原因はコレか!!」と慌ててホルダーとレバーを交換したというわけです。

 


ホルダーとレバーを新品に交換し、各部を注油&グリスアップ。やはり原因はここだったようで、クラッチレバーの妙な重たさは改善され、遊びの調整もきっちり微調整できるようになりました。しょっちゅう使う部分だからこそ、きっちりしていると本当に気持ちいいですね。しかし言い換えればしょっちゅう使う部分なのに、どうしてこの違いに気づけなかったのか!? いや、しょっちゅう使う部分だからこそ、磨耗とともに徐々に変化していく違いに、いつしか慣れてしまい気づけなかったのか!?

ぼちぼちオートバイのこと分かってきたなぁ、少し乗れてきたかなぁ……なんて思い始めてましたが、こうした違いに気が付けないなんてまだまだですね。


いずれにせよ、「レバーなんて折れたら交換する」モノだと思っていましたが、それは大間違い。そしてもうひとつ大切なのは“レバーの角度”の調整。真っ直ぐ手前に引いてるつもりでしたが、今回の磨耗を発見しあらためて確認すると、僕の場合レバー位置がやや下過ぎたのか、手前に引きながらわずかに斜め上方向にチカラがかかってしまっていたようでした。間違いなくそれも磨耗の原因。レバーの角度も再調整し作業は完了!


お約束の“昭和パーツ”!? レバー先端に付けるゴムも装着。

 

 


しかしながら、部品同士が擦れ合う部分は少なからず磨耗する……その視点で考えると、まだまだ気になる部分が出てきますね。少しずつチェックしていこう。