本日発売!! 『大人のコーナリング VOL.2』 内容紹介〈その3〉。


本日発売の『大人のコーナリング VOL.2』。最近めっきり本屋さんが減りましたが、今日から書棚に並んでいますので、仕事帰りにでも近所の書店をぜひチェックしてみてください。どこの書店さんもバイク/クルマコーナー、寂しいくらい縮小してますけどね(笑)


さて、今日は内容紹介〈その3〉。エピソード0を理解できたら、いよいよコーナリングです。例えばタイトルカットのような平坦で見通しも良いカーブの連続。ヘアピンのように曲がり込んでいるわけでもなく下り坂でもありませんが、こうした道こそ、ひとつひとつのコーナーに対して組み立てを考え、丁寧でメリハリのある操作を心がけることが大切です。前を走るライダーだけを見てなんとなく走っていたら、3つ目のコーナーでタイミングが合わない……なんて経験ありますよね?

というわけで、今回はコーナーを3段階に分けて考えていきます。なぜなら各段階で重要視して操作しなければならないことがまるで違うからです。STEP1〜3までの全3部構成。

STEP1は「アプローチ/ブレーキング&減速」、STEP2は「コーナリング/ラインの向き変え」、STEP33は「立ち上がり/トラクションによる旋回」。各ステップ、さらには各ステップの中の項目ごとに理解を進め、急がずにコーナリングを楽しめるよう編集していますので、ゆっくり読み進めてください。


合言葉は「読んで、走って、リラックス」。サーキットと違い、一般道はいつでも違うコーナー、初めてのコーナーの連続……というわけで、余談ですが『大人のコーナリングVOL.2』用に1950年代のジャズセッションの名盤タイトルを拝借したロゴも作りました。欲しいのは、いつものコーナーをそれっぽく走れることじゃなく、柔軟な対応力と応用力。そのための知識をぜひ。

 

『大人のコーナリング VOL.2』12月11日発売。内容紹介その1。


『大人のコーナリング” VOL.2』
考えて曲がる”…そのために知っておきたい技術論理。

■はじめに…
コーナリングの不安や恐怖を解決するのは、知ること。

コーナリングが上達するにはひたすら練習……と思いがちですが、やみくもに走るよりも“オートバイの仕組み”を知ることの方がよっぽど近道です。大切なのは、「何を意識して走るのか」。それは、オートバイの仕組みや構造に逆らわずに操作できているか? あるいは、どれだけオートバイの動きを感じられているか? が、コーナリングが楽しくなる最初のポイントだからです。

一昨年発売したVOL.1では、オートバイの仕組み、そしてコーナーの仕組みを、その根本から解説することをテーマとしましたが、VOL.2では、さらに一歩踏み込み、コーナリング中に起きていることを、オートバイに乗っている・操っている“自分目線”の感覚から考えていきました。

とはいえ、VOL.1を読んでいない人でも基本からわかるように、知っておきたい内容の“順序”と“読みやすさ”を大切に編集しています。また、全部で3つある章(STEP)を飛び越えて気になる“項目”だけを読むこともできるよう、見出しの大きさや文章の量も調節しました。本誌が「テクニックではない、基本の仕組み・構造を知ること」に徹しているのは、根本を理解しないかぎり、知り得た情報も“自在に使える”知識・知恵にならない、と考えるからです。本誌の情報が“使える知識”になった時、フト上達の一歩を感じられるはずです。


『大人のコーナリング』はレースしたりサーキットを走るための情報ではありません。また目を三角にしてコーナーを攻める人のための本でもありません。ツーリング中の峠道やワインディングを、不安や恐怖を感じることなく、「楽しい! 気持ちい! 」そして「次のコーナーが待ち遠しい」と思えるライダーのための一冊です。

速く! 上手く! ではなく、自分なりに! 意のままに!

「読んで、走って、リラックス」を合言葉に、皆さんのオートバイライフの傍に寄り添う存在になれたら幸いです。

 


というわけで、本日編集部に仕上がったばかりの本が届きました。発売は明後日11日。全国の書店またはamazon等でお買い求めください。

春の山とは裏腹に……悩み多きプチツー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4月2日、春一番も過ぎ去ったのにプチ寒波到来で、とにかく関東では冬の気温の晴天日。W1厚木基地メンバーでもある研磨屋・成瀬さんの主催で、今人気の道志道と中央高速&R20の間の山々の間を走って中央道・談合坂SAの公園でランチするプチツーリングに参加しました。

参加者はW1系5台をはじめに、250ロードもオフ車も入り混じる10台あまり。走る順番など決めずに、休憩で止まる度に前も後も参加者が入れ替わる、そんな気軽なショートツーなののですが、そうはいっても僕はそんなに気軽になれません……だってそうでしょ! こないだ“大人のコーナリング”なんていう本をエラそうに出した本人が、ダメダメなコーナリングじゃ、本の信憑せを落とすばかり。フツーならしなくてもいい“キンチョー”を人知れず勝手に背負い込んでるわけです。余談ですが、オートバイ雑誌関係者とフツーの一般ユーザーの間で、その板挟みにもう40年近く悩んできた人生でもあるわけです(ずいぶんオーゲサですね)。

主催の成瀬さんはホンダ・シルクロード。密かな人気旧車。

川原の桜名所で休憩。でも誰も桜を見ずに、僕だけじゃなく数名のメンテ&修理に全員がアレコレ。

中央道・談合坂上りSAを見下ろす梅林も満々開。下道で行って、徒歩で入れる公園でランチ。

H田教授も参加。この後、翌日のツーに向けて静岡へ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最近は、アチコチの山間部にカフェがいっぱい。ワイルド・ブレスにはホースライド・スペースもある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東京から西方の山々には、そこかしこに桜の木が植わっていて、その間を抜けていく山道は気温は低くても完全に春爛漫の雰囲気。それを楽しむための成瀬チョイス・ルートなのに、山道に入った途端、ある“失敗”に気づきました。

タイヤの空気圧、チェックすればよかった……タイヤの空気は冬の一番寒い時に入れると、自然に抜けていくとはいえ、気温の高まりとともに膨張するので、夏→秋と違って冬→春は空気圧を比較的長く維持してくれる。実際、今年1月から何度かチェックはしてきたが、想定より高いことがあっても低いことはなかったのです。その油断からここ2週間ほどチェックしてなかったのです。出かける前日にも、一度アタマに浮かんだけど、まーいいや、にしていたのです。

そもそもW1/W3の場合、50年前のメーカー指定はF1.8kPa・R2.2kPaなわけですが、’50~’70年代の砂の浮いた荒れたアスファルト&柔軟性に乏しいタイヤゴムという状況では、確かにそうかもとも思えます。しかし今では、山道でも砂が浮いていることは少なくグリップの良いアスファルト、オマケにタイヤゴムは日進月歩で繊細な柔軟性を獲得しているので、50年前の適正指定は現在の道を走るには低過ぎて、タイヤを摩耗させるばかりなのです。僕のメッツラーME11/77での好みの空気圧は F2.3kPa・R2.5~2.6kPaと高め。それでも、タイヤが滑ることはありません。

ところが、すでに1万3000キロも走ったフロントタイヤはトレッドのスリップサインが出てないとはいえ偏摩耗は明らかな上に、サイドウォールにはオゾンクラックがいっぱい(車検ではアウトですね)。普段街中を走る分には少し気になる程度のことでも、山道のコーナリングでは強烈にウラ目に出てきました。偏摩耗で薄くなったトレッド+ヒビ割れサイドウォールで、コーナリング荷重を受け止めきれず、ダンピング性能は最低な上に異様な変形を起こしているのか、接地部分が引っ掛かりとなって、走行ラインを思ったより内側に引き込む上にフロントを切れ込ませます。途中で病欠早退ししたくなるくらいショックで、証拠写真を撮ることを忘れてたくらいです。

桜並木の綺麗な川原の公園で休憩の時に、“大失敗!! フロントの空気が低くて気持ちよくない!!”とボヤいてたら、「ポンプもゲージもあるよ」と成瀬さん。測ると2.2kPa強。「抜けてないじゃん」というけど、タイヤがタイヤだから……じゃあ2.5kPa入れて。成瀬さんが取り出したる自転車用ハンドポンプがスグレモノで、30cm長しかないのに、手の力だけでどんどん入る。昔のMEIDAIベビーポンプとは隔世の感があります。「自転車では7~8kPa入れるのが当たり前だからね」……帰ってきてポチッたのはいうまでもありません。

コーリング本を復習熟読、タイヤを新品にして参加したYセンパイは相当気持ちよく走れた様子。少しでもお役に立てた話はいつ聞いても嬉しいものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2.5kPaとなったヤレヤレ ME11はとりあえず格段の症状緩和となりましたが、元どおりとは違います。新品メッツラーME11/77に、空気を2.5kPa入れ、前夜には例のコーナリング本を熟読復習してきたYセンパイは、僕の後を楽しくついていけたというけど、僕にはそんなYセンパイをバックミラーで見る余裕もありません。僕もスムーズに走っていたようにいうけど、見られている僕としては、いちおー手本にならなくては…と、さまざまな御法度テクニックを駆使してスムーズなコーナリングの“テイ”を装いました。「どおりで、なんか上半身が硬いなぁ、と」細かく見てますねぇ。ということは、それだけYセンパイは本当に、余裕が生まれて楽しかったんだ、と思いました。

とにかく、僕によっては大変な1日でしたが、僕の出した本がみんなの役に立てて、心底良かったと思えたことで、納得しておきましょう。

 

 

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