大人のBIKE CAMP的“プレ”オフ会!? 「”A-BC” 0.0」


9月末に発売した「大人のBIKE CAMP」は3冊目。年一回のペースでなんとか第3弾まで制作できたワケですが、3年前の第1弾で取材させてもらったW650乗りのキリトさんとその後、仲良くさせてもらっていて(「大人のBIKE CAMP」以外でも取材をさせてもらったり)、「一度プライベートでキャンプツーしましょうよ」と話していたキャンプがあれよあれよと発展し、先日、オフ会的[大人のBIKE CAMP-ver.0.0(ZERO)]をしてきました。


その、W650乗りのキリトさん。軍幕好きでキャンプ好き。古着好きでウンチク好き。おまけに酒も好きでお喋りも大好き。何かにつけて「なんで? どうして?」とスグ聞きたがる編集者の質問攻めにも笑顔で応えてくれるナイスガイ。ただの“こだわり派”……ではなく、ナニに対しても“自分なりの理由”がしっかりとある知的な“癖あり”タイプ(良い意味で、ですw)。


第一回の前のZERO会(ver.0.0)と題した「大人のBIKE CAMP」。キリトさんが中心となり当初個性豊かな6人での開催予定でしたが、急な仕事やバイクトラブルで急きょ2名が欠席。初顔合わせも多い4人でのキャンプとなりました。ver.0.0のテーマは、とりあえず色々と今後についても話そうと、「酒」。


道志エリアのキャンプ場に集まった個性豊かな“大人のバイクキャンパー”。クロスカブのオーナーは紅一点の女性ライダーで、W800とクロスカブの2台持ち。午後まで雨が降っていたためクロスカブで走ってきたそうですが、セローとスポーツスターに乗る2名が急きょ欠席となったことで、たまたま“カワサキだらけの(W650/MACH III/KZ1000)キャンプミーティング”!? にもなった当日。「W800で来ればよかった〜」とずいぶん悔しがっていました(笑)



この日の東京都心部は、天気予報に反して午後までダラダラと雨が降り続いていたため意を決してカッパを着て出発しましたが、中央道・相模湖インターに着くとウソのような晴れ間も見える回復ぶり。前泊キャンプをしていたキリトさんから「道志は晴れてるよ」とメッセージをもらっていたのですが、山を一つ越えただけでこうも天気が違うとは。オートバイでツーリングしているとこうした何気ない不思議によく遭遇するものですが、“雨からの急な晴れ”ほど嬉しいモノはありません。カッパを脱いだ瞬間に湿ったジーパンを吹き抜ける風の爽快さったら、もう最高です。


僕が到着したのは3番目。設営前にプシュッとビール(キリトさんはワンカップ)で乾杯。そしてテントを立てた頃にマッハ3に乗るチュンさんも到着。


なかなか見かけることがない普段使いしているマッハ3。しかも後期型。旧車ミーティングであればまだしもココはキャンプ場。おまけに荷物満載。なかなかの光景です。

じつはオーナーのチュンさんと会うのは約20年ぶり。ぼくがストバイ編集部に入ったばかり頃、原宿でアパレルショップを切り盛りしていたチュンさん、当時から英国カルチャーやロッカーズが好きなのは知っていましたが、マッハ3で大人のロッカーズ・スタイルを楽しんでいるとは恐れ入りました。しかもキャンプツーまで。


とかなんとか昔を思い出したり、バイク話をしたり……いつまで経っても立ち話が終わらないので(笑)、明るいうちから焚き火を囲んで宴スタートです。焚き火の隣にはキリトさんがみんなに振る舞ってくれたサイコーのアテ、厚揚げ。僕は今シーズン初のおでんで白ワインをはじめました。


テーマは「酒」、といえば聞こえはいいですが、夜が更ければただのアウトドア飲み会。楽しくたっぷり飲みました。


チュンさんのマッハ3。積載バッグ類を黒で統一し、さらにリアシート上に高く積み上げ過ぎないことで、荷物満載でもマッハのスピード感を損なっていないスマート積載。
ストバイ製SIDE CARGO PACKも愛用してくれている紅一点のKさん。こちらも荷物満載ながら、クロスカブのキャリアを上手に活用しています。手前味噌ながらサイドバッグ、雰囲気GOODですね〜(笑) 次回はぜひW800で!!


こちら主催キリトさんのW650。日本軍製の当時物ケースを愛用する軍物ラバーな積載はベテランの香りも漂います。


ぼくのKZはラージサイズのSIDE CARGO PACKを左右に振り分け、リアシートにはテントやテーブル等の長モノを積載したいつものスタイル(だからって写真がずいぶん雑ですね……スミマセン)。


案の定、酒にまかせてワイワイ楽しんでしまい、肝心の“今後”については煮詰められませんでしたが……オフ会的大人のBIKE CAMP、略してAdult OnlyなBIKE CAMP……A.B.C.。世代的にはA.P.C.ですが、A.B.C.。正しくは、A-B.C.!? (要一考!?) 少しずつ広げていけたらと思っています。

「カワサキ・ザッパー物語」なんて本を作ってました。6/27発売です。


>>NEW<< ——6/27発売
「THE PHILOSOPHY OF KAWASAKI ZAPPER」
それはオートバイの快感、カワサキ・ザッパー物語。


amazonは、こちらからどうぞ。

昨年12月にカワサキから発表された新型ネオクラシックモデル、Z650RS。Z900RSが初代Z1カラーで登場したように、Z650RSは“ザッパー”の愛称で親しまれた1976年のZ650カラーだったことから、発表直後からファンのあいだでは「待望のザッパー復活!!」や「ザッパーというなら4気筒じゃないと…」云々、賛否両論盛り上がりました。というのも、Z650RSのベースとなったネイキッドZ650は並列二気筒だったのです。

Z900RSで「水冷エンジン」、「モノサス」、「前後17インチ&ラジアルタイヤ」に免疫はついたとはいえ、多くのZファンやクラシック系バイクファンにとっては、やはり「ザッパー復活ならば4気筒であって欲しかった」なんて声が多かったのも事実。久しぶりにバイクファンの中で“ザッパー”というキーワードが脚光を浴びたワケですが……歴史を振り返ると、じつはカワサキが1976年のZ650だけを指して公式に“ザッパー”と名乗ったことはなかったのです!! 

では、ザッパーとは何なのか!? 本誌の企画はここからスタートしました。

なんでも「ZAPPER(ザッパー)」とは、「風を切る音」を表す「ZAP」という単語からら生まれたコトバだそうで、1960年代のアメリカでは「速くて飛ばせるオートバイ」を指して使われていたようなのです。当時だとTRIUMPH T120やH-D SPORTSTERがザッパーの部類。

国内でのオートバイ事業参入が後発だったカワサキは、’60年代中盤以降その活路をアメリカに定めるワケですが、ご存知のとおり並列二気筒650ccのW1では見事に失敗。カワサキはこのとき初めて「アメリカの若者が求めているのはどうやら“ザッパー”らしいぞ」と知ることになったのでした。

PART1は、ザッパーを模索した1969年のH1(マッハIII)から、世界一のザッパーを目指した1972年のZ1を“徹底したザッパー目線”で解説。

「日本のメーカーは国内用のモデルを輸出しているが、カワサキは“米国用”のモデルを輸入しているのだ」当時アメリカ・カワサキの総責任者だった浜脇洋二氏は、Z1の開発史を記した『カワサキZの源流と軌跡(三樹書房)』のなかで、当時の戦略についてこう話しています。

なんでも、ホンダ、ヤマハ、スズキよりも遅れてアメリカに上陸したカワサキが、1966年にいち早く現地法人を設立し始めたことは、“アメリカ人になりきりマーケティングすること”。幹部にアメリカ人を雇い、社内では英語を公用語とする。日本の3メーカーとの差別化を図るべく徹底して“郷に入らば郷に従え”精神を貫く。こうした環境下のアメリカで「ザッパーとは何ぞや!?」と模索しながら誕生した“ザッパー第一号”が、じつはジャジャ馬で知られるマッハIIIだったのでした。そして、それまで一般的な呼称でもあったZAPPER(ザッパー)は、次第にカワサキの下で開発思想となり、その後のZシリーズが誕生するのです。

当時、開発思想にまで昇華された「カワサキにとってのZAPPER(ザッパー)」とは何だったのか!? ’60〜’70年代の“カワサキ・ザッパー物語”を紐解くことこそ、いまスタンダードと呼ばれ多くのヒトが楽しむ’70年代のZシリーズの魅力を知るきっかけになり、さらに当時のモデルをモチーフとするZ900RS、そして新型Z650RSの“魅力の本質”が見えてくるのではないか!? それこそが本誌のテーマでありコンセプトです。

題して、「THE PHILOSOPHY OF KAWASAKI ZAPPER」。雑誌というより、読み物に近い? 「カワサキ・ザッパー物語」は6月27日発売です。

PART2は、1976年のZ650。なぜZ650だけが“ザッパーの愛称”で親しまれたのか!? その謎に迫ります。

PART3は、Z650の翌年登場したZ1000。いわゆるZ1系デザインの最終モデル。不人気車でもあったZ1000開発の真相とは!?

PART.4は、’70年代の一部のカワサキ・スタンダード車に付けられていたRS=ROADSTERに着目し、新型Z650RSの魅力に迫ります。

PART5は、Z1開発時に常に議論されていた「優れたツーリングバイクであるために」をテーマに再考。1970年を境にアメリカで“新たなレジャー”として脚光を浴びたツーリング。Z1で追求した魅力はZ900RSにも受け継がれている!?

「THE PHILOSOPHY OF KAWASAKI ZAPPER」
それはオートバイの快感、カワサキ・ザッパー物語。
¥1,200

全国書店、Amazon等でお買い求めください。

〈目次〉
■Introduction——「再び脚光を浴びたザッパーがもたらしたこと」
■本誌を深く理解するためのキーワード解説
■1927-1970 カワサキ年表「造船、飛行機そしてオートバイへ」

——特集——
■Part.1「BORN TO BE ZAPPER」〜“ザッパー伝説”は、アメリカではじまった〜
■Part.2「MORE ZAPPER!!」〜カワサキは“650”の魅力を知っていた〜
■Part.3「THE KING」〜カワサキZはザッパーから大人のマシンへ〜
■Part.4「ROADSTER」〜カワサキ・スタンダードが標榜する、もう一つの本領〜■Part.5「TOURING CYCLE」〜“豊かなトルクに身を任せて遠くまで”〜

■〈男からオトナ・カワサキへ〉
石丸直基/登山道夫(Z1 FANCLUB)/佐々木英行/Lewis Leathers/SHM Helmet

■〈Zにまつわるエトセトラ〉
「ステーキ名で呼ばれたZ」/「Z系エンジンの変遷」/「ヨーロッパ仕様のZ」/「カワサキZの伝説あれこれ」

■Story from Photograph「650」
■Epilogue「1970年代の正統派」

 

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