[SR500F.I.]工具要らずのセッティング!? 季節の変わり目にも……空気圧チェック。


季節の変わり目や、わりと気温の変化を大きく感じたときに「アッそういえば」と思いだすのはタイヤの空気圧。気温が高いと空気は膨張し低いと収縮する。つまり夏の気温で適正だった空気圧もそのまま秋〜冬に突入するとそれだけで空気圧は下がっているということ。11月に入ってからも意外と寒くならなかった東京ですが、昨日の朝は冬の到来を感じさせる気温。そういえばSRはリアホイールを組み直して以来、空気圧のチェックをしていなかったなぁと、編集部に着いてタイヤが冷えてからチェックしました。


現在僕のSRはフロント:2.30kPa、リア:2.50kPaを基準にしていますが、チェックするとフロント:2.10kPa、リア2.30kPa。わずか0.2kPaずつの減少ですが、“自分にとっての基準”を作り普段から気にして走っていると、わずかな差でも不思議と「アレ、なんだかいつもと違う!?」と気がつくものです。

空気圧が基準より下がっているときは、タイヤの接地感が増すことで少し重たく感じ、反対に空気圧が基準より高い場合は、普段よりもゴツゴツとした乗り味や接地感が少ない心もとないフィーリングを感じさせます。

ちなみに……

■SRのメーカー推奨の標準空気圧は、
フロント:1.75kPa(1名)/2.00kPa(2名または高速走行)
リア:2.00kPa(1名)/2.25kPa(2名または高速走行)

もちろん指定空気圧よりも低いのはご法度。でも決して空気圧が高い方が良いというハナシじゃありません。ですが[↑]の指定空気圧を見て思うのは、1名乗車時とタンデム時や高速走行時の空気圧にはけっこう幅があるということ。初めの頃はついつい1名乗車時の空気圧に合わせてしまいがちですが、考えてもみれば高速を走りそのまま下道を走る……なんてことは誰にとっても日常茶飯事。またタンデム(ヒト一人分)とまではいかなくても、キャンプツーリングともなればリアシート部分にそれなりの重量を載せることになります。そもそもライダーの体重だってヒトそれぞれですからね。※ちなみにヤマハの指定空気圧のライダーの想定体重は65〜70kg。

つまりメーカーの指定空気圧というのはあくまで基本の目安と考え、そこから自分にとっての好みを見つける作業も楽しいワケです。いわば空気圧の調整は工具も使わずまず最初に誰でもできるセッティング。


SRではもう10年以上いろいろと試してきましたが、現在装着しているタイヤ、ダンロップK300の場合はフロント:2.30kPa、リア:2.50kPaでひとまず落ち着いています。指定空気圧よりも高めにしている理由は、僕が求める軽快感と安心感、そして乗り心地のバランスがよかったから。ちなみにこれまで付けていたメッツラーME11(F/19インチ)/ME77(R)のときは、フロント:2.10kPa、リア:2.30kPaでした。あくまでこの数値は僕にとっての好みであって、この空気圧だと不安に感じるヒトもいれば、なんだか重たいなぁと感じるヒトもいるかもしれません。当然、同じタイヤでも今後乗り方や好みが変わればそれに合わせ変化するはずだし、その変化を楽しめばいいだけ。

たとえばSRで現在標準空気圧のF1.75/R2.00で走っているヒトなら、試しに2名&タンデム時のF2.00/R2.25にしてみるとその違いが感じられて面白いですよ。まずオートバイが少し軽くなったように感じると思います。それで不安を感じないまま楽しくなった! なんていうのなら、それをひとつの基準にしてみるのもいいかもしれません。反対にその“軽快感”を不安に感じたのなら、あっさり元に戻せばいいワケです。もしくは中間にしてみたり。

大切なのは自分にとっての基準を作ってみて、普段から気にして走り、そして日常的に空気圧のチェックをすること。いま思えば、まだオートバイのことがほとんどわかっていなかったSRに乗りはじめたばかりの頃は、空気圧のチェックとチェーンの注油だけが“唯一自分でも変化が感じられる”楽しいメンテナンスでもありました。

編集部で愛用しているエアゲージは旭産業の棒ゲージ。

ご存知のとおり空気圧チェックは必ず冷間時に、が必須。緊急時ならガソリンスタンドでも構いませんが、一度走ってしまうとタイヤの熱で空気が膨張し空気圧も変化してしまうため、GSでのエアチェックではいつまでたっても“自分の基準”は作れません。そのためにはホームセンターでも買える空気入れとエアゲージをもっておくこと。これだけでもずいぶんオートバイライフは変わります。

そして、コーナリングにおいても空気圧は「これくらいがいいなぁ」なんて好みが出てきたらもう楽しいセッティング沼の始まりです(笑)

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