見えない世界は誰でも苦手!?

昨年の暮れあたりから世界的に猛威を奮っている“コロナ禍”のおかげで、もう春を迎えようという頃なのに、世の中はナンでもカンでも自粛・出控えムードが蔓延してますが、僕らストバイ編集部もちょうど年明けからひと月余り、サンエイムックの締め切りでドタバタしてたので、世の中がそんなことになってると知ったのはつい最近のことだったのです。

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じゃあ、その間、何してたの?となりますが、じつはそうはいっても“走りたい”欲は旺盛で、正月2日から何度となく、W3でアチコチ走り廻っておりまして、その都度、アレコレ思うことも出てきてコソコソ整備に勤しんだりしてました。その辺りのことがだいぶ溜まってきましたので、出し惜しみせず順々に話していこうかと思います。

まずは昨年の秋グチにはじまった電力不良の話から……前回の記事でもお分かりのように、バイクウォッチをつけたり、シフトリンケージをピローボール化したり、徐々に充実度を増してきていた僕のW3がまた、突然の病に襲われました!!!???……ある夜、気持ちよくR246を流して家に向かっていると、タコメーターの中にある“リザーブ・ライティング・デバイス”のインジケーターランプがシカシカと瞬くじゃありませんか。このライティングデバイスなるシロモノはW1シリーズの中でも、650RSW3のみに採用されたシステムで、ヘッドライトやテールランプが切れると、ハイがローの代わりに、ブレーキランプがテールランプの代わりに点それぞれ灯してれる上に、タコメーター内のインジケーターで知らせてくれるとゆースグレモノ!!……のように聞こえるのだが、実際はそれほどでもない、とのウワサもある機構なのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

じつはヘッドライトは純正では35w/25wのシールドビームのところを、僕は60w/55wのH4ハロゲン球にしてるので、デバイス内でのバランスが既に狂ったのか白インジは明るく点きっぱなし。オマケにブレーキ/テール球も27w/8wのところを、ヘッドライトで余計に使う分の電力補填で目的で15w/5w球にしたら、これまたブレーキをかけるたびに赤インジがいつも光り輝くので、インジ球を外してしまってました(…ヘッドライトの白インジはヘッドライト点灯の証として残したまま)。そういう状態でもう5年以上&6万キロ近く走ってきましたが、その夜は、白インジがシカシカしたと思ったら、ヘッドライトもメーター球も暗くなり、それでもなんとか走って行けたのですが、自宅直前では点火にまわす電力も無くなったのか、エンジンがプスプスいって自宅到着と同時にエンジンが止まってしまったのです。これでは工具が揃う事務所まで戻れるのか? と不安を抱きながら、翌朝恐る恐るエンジンをかけるとすんなり目覚め、難なく会社まで走っていけたのです。一応、バッテリーを補水&充電してテスターで測って13v近くまでにして、また自宅まで夜間走行してみると、1日目はビミョーに怪しくなり2日目にはまた同じ症状で真っ暗ヘッドライト&エンスト到着。それでも昼間は問題なく走行可能……むむむ、バッテリーは昨年4月に日本メーカー正規品の新品に換えたばかりだし、同じ時期にダイナモもO/Hして発電バリバリだし……いよいよきたか、デバイス故障…と思ったわけです。

なぜかと言うと、この’70年代カワサキの革新技術“リザーブライティングデバイス”は、Z系にも多数採用されていて、何やらZ関係ではコイツが誤作動、イタズラをし始めるという噂が絶えないのです。そのため、Z系リプロパーツメーカーでは、このデバイスを回避する簡単なUターン・カプラーキットが販売されてたりするのです。ところが!!! W3用となると、まるで売ってない。じゃあネットで作り方の情報があるか?と探してみても、大抵はZ系の話で、W3のデバイス回避の情報やUターン・カプラーの作り方のハナシはまるで出てこない。むむむー!ならば、自分で作るゾォー!と息巻いてみたのですが、ここが苦悩地獄の始まりでした。

リザーブライティングデバイスユニット……シート下に収まってます。

配線図を拡大してアッチ行ってコッチ行ってのにらめっこ。

リード線を切ってつないでをやってるうちに、どこに入れる配線か忘れたり…

 

 

 

 

 

 

こんな複雑なUターンカプラーを作ったけど、まともに機能することはなかった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そもそも電装系・電気系が苦手な僕が、W3の電装配線図とにらめっこ…なところから無理がありすぎ。デバイスが関係するヘッドライト周りとテール&ストップライト周りの配線を追って追って追って追って、回って回って回って回るぅ〜う〜……デバイスに入っていく線と、出てくる線がどこへいくかを突き止めて、Uターンさせてやればイイのだ!! と決め込んで、W1工房厚木基地・関根師匠にもらってあった、予備のW3用デバイスのカプラーをバラしてUターン配線をアレコレ試みた。ところが、いくらやってもイマイチで、何かの機能が働かない……ヘッドライトは点くけどテールランプが点かない、テールランプが点くようになるとブレーキランプが点かない……3日3晩アレコレ繋ぎ直しても、アースとかどっかから電気が回ってきて上手く作動しない。ムムムー!

たまりかねて、モリヒデ森さんに電話してみると「あはは、W3のデバイスはZのようにはいかないよ、ムズカシイんだ。左手のHi/Loスイッチとかに別回路を引いてヘッドライトやテールの電気供給を直にバッテリーにするとか、いろいろ工夫がいるんだよ」……デバイス回避対策のリプロ・ハーネスもあるようですが欠品中で、途方に暮れました。

すると、シバハラが「デバイスの前に、レギュレーターとかチェックしました? 意外にアヤシイですよ、レギュレーター」……一番初めにバッテリー端子でチェックした時に、エンジン回転にしたがって電圧上昇することは確認してたが、よぉーくよぉーく思い出してみると、上限が13vと低かったような、でもたまに15vを超えたりしてたような…つまりイレギュラーが起きてたような感じ。で、デバイスユニットを今一度付け直して、CCT(クラシック・サイクル・トーキョー)の後藤さんにちゃんとチェックしてもらうと、その時はエンジンをどんなに回しても13v以上にはならない。「ありゃレギュレーター、ダメなようですよ。バッテリーもダメになってなきゃイイけど」……それでアタマのモヤモヤが氷解して、ここ1年の出来事が一気につながった……そもそも昨年3月にダイナモのO/Hをしたのに、バッテリーがイマイチな感じなので4月に新品に交換した時から始まっていた。新品なのに3ヶ月もすると、6槽あるバッテリーの極板槽のうち3槽の水が減っていて、1槽は完全に干上がっていた。慌てて補水&充電をして事なきをえたように思っていたのだが、その後もなんだか全体に減りが早く、毎月補水&充電を繰り返してきた挙句、今回のような状態になった次第。

こちらは予備に持ってたスズキ系パーツの機械式(チリル式)レギュレーター。レギュレーターが壊れ始めると、充電不足になったり過充電になったり、古いのは気をつけましょう。

壊れかけのレギュレーターのおかげで、バッテリーも最早正常ではなかったのだ。でも新品に変えると、ナンのことはなくすべてが正常に機能するようになりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうやら今年に入ってから、純正レギュレーターが徐々に壊れ始め、夏頃には誤作動の連続でバッテリーを沸騰寸前までにしたり、その後は電圧を抑えてばかりになってきた、というのが真相のようで、予備の新品レギュレーターを付けてチェックすると、2000回転手前ですでに12v以上になり、3000回転で15v手前を維持したまま安定した、マニュアルのグラフ通りの充電状態を取り戻しました。

つまり、ライティングデバイスの故障ではまるでなかった、とゆーオチだったのです。後日談としては、やはりバッテリーも損傷していて十分な充電&蓄電能力を得られないので、わずか8ヶ月足らずで新品に交換。それ以降は順調な状態が続いています。なので、W3のライティングデバイスは、意外に壊れにくいので、回避方法の例がほとんどないのかもしれませんね。

見えない“電気”を相手にする時は、何より手順どおりの慎重なチェック、そしてまずは大ごとに考えず、手前の“基本的な部分”から疑っていくことが大切だと痛感しました。

 

in YAS by YAS.