されどカブ…じゃなくて“ゆえにカブ” その1

C50改75

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日はあまり春めいちゃってきたので、お昼からカブ・メンテ……ひさひさのC50改75あんどんカブの登場です。

じつは、1週間前に“1年ぶりぶり”に動かした。C100ゆずりの“縦キャブ”(…最近もキャブ・カブと違ってダウンドラフトだったからそう呼ぶ。空気が横に流れるヤツは“横キャブ”)の、フロートチャンバーに溜まってた古いガソリンも抜かずに、チョークレバーを起こしてキャブの吸気口を塞いだまま、定石通りにスロットルも開けず、キックペダルをとにかくダラダラと踏み続ける。

鬼キックとかすると右脚が筋肉痛になるからね……だからキックなんて行為じゃなくて、力も入れずとにかくダラダラと“踏む”行為を1~2分続けていると、なぜだが、何の前触れもなくドルルルルルと火が入る。

長期不動明王&ビリビリの破れ傘トーシュー・車体カバーで濡れ濡れ放置でも、なんかソレを想定した始動対策を講じることもせず、古ガソリン&フルチョークじゃプラグがカブっちゃう…なんてことも一切気にせず、只管打坐(曹洞宗開祖・道元の言葉、“ただただ座っていればいい”という意味)という座禅の境地で、ただただペダルを踏み続けていると、必ずや魂が宿るのであーる……じつは、乗り出した当初=15年ほど前はアレコレ気にして対策準備したけど、そっちの方が時間がかかったりしたので、まずはただただ踏むことにしてます。

ところが、エンジンがかかったのはいいけど(…最近のワカモノは“エンジンが点いた”とか“エンジンを点ける”…とかいうそうだけど、電灯じゃないんだから、なんかなぁ)、走り出したら止まらないぜ!! 的な感じで、スロットルが重くて戻らない!!!! 危うく、土曜の夜の天使になってしまうところでした。

さらなるオマケに、右ウインカーが点かない(…ココは、かからない、じゃないね、電気だし)。それでも、時間がなくなってきたので、手信号&右手ゴリもどしを続けて、何とか新宿の出版社までのお出かけを達成しました。

で、1週間後の今日も新宿方面にお出かけゴトがあったので、“デカクルトキハ、ワスレズニ”で、時間に余裕を持って何年ぶりかのメンテを決行しましたが、なぜかアッという間に終わってしまいました。

スロットルは初代OHVカブC100系からの“螺旋溝スルスル構造”(=スロットルグリップの筒の内側に螺旋状の溝がつけてあって、開ける側にひねると、その溝にハマったスロットルケーブル上端の固まりがハンドルの端へと運ばれる=スロットルケーブルを引っ張る仕組み)なので、全バラ&ケーブル引き出し&注油…かと思いきや、その螺旋溝での“滑り”が悪いだけらしく、無印300円のグリススプレーをそこいら辺に吹き付け、仮組みで動かしてみたら何だか軽いので、本組みしてみるとツルッツルッと動いてくれて驚きました。

点かないウインカーも、球切れか断線箇所を探るつもりで、ハンドル右のウインカーレンズを外すべくネジを緩めると、レレレのレ? 一瞬点いたぞ‼︎??……ひょっとして、ウインカーボディ&車体アース間の接触不良なだけ? で、サビた部分をこちょこちょしてイモグリス塗ってネジ締めたら、普通にチカチカ作動OKとなってしまいました。

あれ?点くじゃん。クロームのウインカーボディ受けとウインカーボディ本体のアース接触不良。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出かけるまでに3時間の余裕を想定したのに、30分で終わってしまい、これでいいのかな?と思ったけど、じつはそもそもメンテ嫌いのメンドくさがり正雄なので、何にもしないでずっと調子よければ全て良しなわけです。メデタシメデタシ。

スプレーグリスとイモグリスで、何とかなってしまった。まるで自転車のメンテ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今やカブの人気は、“カブ”というものがホンダから生まれた時の存在意義や価値観を遥かに超えて、むしろ趣味性の意味合いにおいて脚光を浴びています。もちろん、“骨董”という世界でも、かつて実用品だったものが骨董という新たな価値や芸術性を獲得して愛されているように、そのようなことは何だってあるとはわかっていますが、僕的には、そういう趣味性でカブに乗り、親しんでいるのとはちょっと違うつもりでいます。

むしろ、どんな用途・使い方でカブに接し親しもうが、やっぱりこういうところがカブだよね…みたいな、自分の目的・使い方とかに関係なく、カブが僕や多くのユーザーにくれる恩恵と存在意義に気づくことで、カブに乗ってて良かったぁ…と思いたい……それが僕のカブに乗る理由であり、目的・用途だったりするわけです。

“たかがカブ、されどカブ”とかじゃなくて、カブゆえに乗る!! カブ、そんなことを考えていきたい2022年の春なわけです(…つづくね)。

同じあんどんでも、こちらは純正のC70(72cc)。タンクがC100系と同じ別体式だが、C50の3L→4L。ガバナー進角で、トルク感も吹け上がりもC50とは別物。カンタンに80km/hでちゃう。

 

in YAS by YAS.