次世代“W”ってハナシ、信じてないでしょ?…その1

 

フツーに見れば、Z650のイメージを受け継いだZ650RS……乗ると、Wな感じも!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前回のブログで、新発売のKAWASAKI Z650RSは “ひょっとして超最新型・次世代W?“てゆーハナシをしてみたけど、イマイチ反響が悪いというか、多くのオートバイ乗りがピンと来なかったというか、なもんでもちょっとその真意をお伝えしたなぁと思って、ちょっと連載でお話ししようと思ったワケです。

そこで、ちょっと視点を変えて、“旧車らしさ”の重要なポイント・魅力のひとつでもある“ステアリング・レスポンス”についてお話しいてみようと思います。非常に細かなハナシになりますが、ガンバッてついてきてくださいね。

ステアリング・レスポンスとひとことで言っても、それこそさまざまな要素・要因が含まれてくるワケですが、大雑把にいえば2つにポイント…ハンドル・ステアリング・フロントまわりがセルフステアによって、曲がりたい方へ切れ込む=舵角がつく”…際に、れ込む“量・角度”とその角度に至るまでの“早さ・時間”があります。

“セルフステア”とは何ぞや……オートバイでも自転車でもフロントフォークには、キャスター(角)とトレール(量)が設定されており、キャスター角は路面に対してステアリング回転中心軸につけられた角度(日本では90度に対して中心軸を寝かした分の角度、海外ではFork-rakeといって、90度に対して寝かした角度を引いた、実質傾き角を表記する場合が多い)のことを言います。フォークの傾き=ステアリングのヘッドパイプの傾きのことですね。トレール量はステアリング回転中心軸の路面到達点(仮想)と前輪接地点との距離のことを言います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そもそもオートバイも自転車も、前輪はじつはステアリングのヘッドパイプに引きずられて走っているカタチが基本中の基本で、セルフステアは乗り手がハンドルを意図的に切るのではなく、車体の傾きによって生じる=勝手に切れ込む作用のことなのです。この勝手に切れ込む作用によって、車体が倒れてしまうことを防ぐ&遅らせることで、乗り手は転倒せずに済むという重要な機能なのです。ハンドルは握っていても、ステアリングの回転に対して力を加えてはいけない理由はこれに尽きます。ちなみに、オートバイも自転車も、このセルフステア作用によって真っ直ぐ走っているつもりでも常に蛇行していることで、転ばずに走っていられているのです。

さて、“ステアリング・レスポンス”のハナシでしたね。このセルフステアでフロントまわりが切れ込んでいく角度とそのスピード時間のことを言います。直線で蛇行しながら走っていることは気づかないくらい感じさせないのに、コーナリング(と言っても右折&左折の時のハナシですよ)で、1回切れ込む舵角やスピードは分かりやすく感じやすい……そんなワガママな性能・特性なんてあるの? それを追求しているのがオートバイメーカーの開発陣なわけで、そのオートバイの魅力にもなり得る重要な感覚性能、それがステアリング・レスポンスでもあるのです。

ちなみに、“ハンドリング”という言葉がありますが4輪と違って、オートバイでは、単にハンドルを切ったら(切れたら)どーなったかの話ではありません。後輪駆動が基本中の基本のオートバイでは、パワー&トルクなどの出力特性が大きく関係してくる…、前後タイヤの形状や性能も影響してくる…車体全体の寸法などの基本設計も関係する…というように、要素を増やし感覚や思考を広げる必要が生まれる言葉なので、今回はステアリング・レスポンスに絞ったハナシをしていきます。

なんて話しているうちに、もうこんなになりました。ので、次回はいよいよZ650RSのハナシをしていこうかと思います。ついてこれてますか? 細かいハナシでしょ? じっくりいきますんで、どうぞお付き合いください。

元祖650RSはW3。でも、コレにつながるとは思えないですよね。

 

 

 

 

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