大人のオートバイ・チャレンジとは何か?

サンエイムック/A4版/1300円

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

年明け1月13日に発売しましたサンエイムック「大人のオートバイ・チャレンジ アジャスト&セッティング」。すでに、多くの方々にご購入いただいておりまして、御礼申し上げます。ただ、まだ「一体、何の本?」という方々もおられるようなので、少しだけ軽く説明させていただきます。

内容・構成は以下のようなっております。

(1) リアショック周辺とイニシャル調整
(2) チェーン・アジャスト(張り)調整
(3) タイヤ……タイヤの構造・仕組みとエア(空気圧)調整
(4) フロントフォーク周辺とオイルレベル調整
(5) ポジション・セッティング

え?これだけでオートバイ全てのセッティングを解説してくレてるの?……そんなはずありません。オートバイ全体のセッティングについて、全てを事細かに解説したら、1冊どころか4〜5冊になっても語り尽くせないでしょう……そんなオートバイ全体にわたるセッティングの話なんて、そもそも知りたいハナシでもないはずでしょう。

ましてや“セッティン”となると、いくらメンテナンス・整備といえば最近では多くの方が自らするようになってきたとはいえ、あまりしたことがない…という方が多いようです。あるいは、セッティングといえばキャブレターや点火時期などエンジン関係を中心にした話タに対する興味は多いようですが、もっと手前でやれる=車載工具でできるセッティングの話にはほとんど興味がないのも現状のようです。

何故でしょう?……カンタンなハナシです。キャブレターや点火時期などエンジン関係をイジれば、その効果・違いがはっきり確認・理解ができますが、それらよりもっと“手前”でする車体関係のセッティングとなると、途端に“何をしているのか?”わからなくなってしまう…というのが実情だからです。

でも、それも仕方のないことです……なぜなら、車体関係の仕組みについては、免許を取得する時から、それ以降誰も教えてくれないし、ここ50年(というと半世紀!)そのことについて語っている本や雑誌もほとんどありませんでした。もちろん、オートバイ雑誌では時代時代にそのつど企画が展開されてきたようですが、そもそもオートバイはどんな仕組みでどうやって走っているのか? が語られてきたことはほとんどないのが現状です。

そうした中、オートバイ雑誌が使う専門用語ばかりが多くの人の記憶に残り、そうした専門用語がユーザーの間で不確かな内容のまま語られ、いつしか一人歩きして、迷信まで生んできています。その結果、誰ひとり、自分のためにアジャストした自分専用のオートバイ乗る…と言う経験ができていない、というのが現状なのです。

そこで、もう一度、オートバイについて考え直すきっかけを作りたいと思いました。

オートバイは“機械”であり“道具”です。その目的や意味はヒトさまざまだとしても、この事実は変わりません。機械・道具である以上、決して難しいモノではないはずです。ただし、きわめてシンプル・単純な物理的要素がたくさん集まっている機械・道具ではあります。それらのシンプルなこと全部をいっしょくたに考えてしまうから、複雑でわからないモノに思ってしまっていて、誤解も迷信も生んでしまっているだけ……つまり、機械・道具に則った正しい使い方をするための知識を教わらなかったし、考えなかったし、故にそう使ったこともないだけなのです。何十年もオートバイに乗ってきていても、じつは免許取り立ての初心者の時の知識から大して変わっていないだけなのです。運転免許というのは一般道でその機械を操作できる“最低限”の内容を習得したことの証明書でしかないのに…。

何も、上手くなったり、速く走れるようになったりする必要はまるでありません……でも、道具を狙いどおり、思うとおりに扱えた時の“快感”は、誰でも味わえるはずのモノです。それは例えれば、カナヅチで左手の指を打ってしまうことなく、狙いどおりクギをまっすぐに打ち込めた時の快感と同じだと思います。

そんなことを考えながら、大人のチャレンジとして、オートバイに取り組み直してみませんか?……そんなキッカケしていただけましたら幸いです。

次から、上記の5つの内容を、ちょっとだけ解説していきますね。

 

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