大人のオートバイチャレンジ その2…チェーンも自分好み!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

“大人のオートバイチャレンジ・アジャスト&セティング”は、オートバイの全体の仕組みを考えながら、自分好みを探っていく趣味の行為なんだけど、盲点ともいうべき部分の調整・アジャストが“チェーン調整(チェーンの張り具合)”なんです……え?そんなことで何が変わるの?……結構変わるんですよ。

チェーンはエンジンのチカラを後輪に伝える駆動系の重要パーツ。だから、チェーンの清掃・潤滑に関してはさまざまな書籍・雑誌などで指南されているし、そのための用品・ケミカル用品も数多く用意されているわけですが、チェーン調整・張り具合に関して事細かに解説されているものをあまり見たことがありません。大抵は、メーカーの取説やサービスマニュアルで指定されているアソビ=弛み=チェーンの振幅に設定するというハナシばかりです。

ご存知のとおりチェーン(ドライブチェーン)は、加速時には上側のチェーンが引っ張られてピーンと張り、減速時(エンジンブレーキ時)には反対に下側のチェーンが引っ張られてピーンと張ります。そして、この加速/減速の切り替えはじつは日常茶飯事、まさに気づかないうちにON/OFFを頻繁に繰り返しているものなのです。

その際に、スロットルOFF時の下側のチェーンがピーンと張ったのちにONによる上側のチェーンが張るまでに生じる“タイムラグ(遅れ)”を、チェーンの張り具合によって自分好みに調整しようというもの……もちろん、この逆の場合もあります……つまり、チェーンの“弛み”が少ないとスロットル・レスポンス(反応)は早く、多いとタイムラグも多くなる、というわけです……ウソのようなホントのハナシ。

じつは、僕はいつも自分の体重がメーカーの標準設定体重(だいたい65kg辺り)より大幅に多かったので、フツーのヒトよりリアサスが沈み気味になり、当然チェーンも張り気味になっていたので、昔からチェーン調整は“ユルめ”の設定をしてきました。それでも、ドテ勘+目分量だから、どんなオートバイでも振幅も数値的には10〜20%増し(30〜40mm→50〜60mm)にするのが当たり前にしてますけど、自分的に“張りすぎ”てしまう時もあり、そんな時はスロットル・フィーリングが、なんかスロットに急かされるような印象になってまい、やり直して弛ませています。

余談ですが、レースに出場する時のマシンでは実際に、チェーンの張り具合とスロットルケーブルのアソビをシビアに調整していました……それは、公道走行とはスピード域が断然違うので、コーナリング時の荷重も想像以上に増すために、リアショックが1人乗りでも2人乗りの最大荷重=フルボトムまで動くので、チェーンが張り切ってスイングアームの可動範囲を損なうことがないように、ギリギリまで振幅を大きく設定。その一方で、スロットルケーブルのアソビはまさに“ゼロ”に近くして、チェーンの張り/弛みをリアルに感じられるようにしていました。

いずれにしろ、チェーン調整(チェーンの張り具合)で、“自分好み”のオートバイにできるかできないか…ということを解き明かす第二章なのです。

 

サンエイムック

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