さて、第3章は“タイヤ”です……そう、みなさんが一番よく知っているつもりで、アタマでっかちになりがちな最重要機能パーツでもあります。
バイアス/ラジアルの違い、なんてことがよく議論・談義されますが、その仕組みや内部構造の知識はいろいろな本・雑誌で取り上げられ、少なからず知識を持っていらっしゃるオートバイ・ユーザーの方々をよく拝見しますが、それらを使い込んだ際の効果を実際に体感されている方々は少ないように思われます。
ということは、スーパースポーツに標準装着されている太いワイドラジアルどころか、最近人気の旧車のほとんどが装着している細い“バイアス”タイヤの使い勝手・効用を深く理解されている方もまた少ない、とも言えるのではないでしょうか。
まずラジアルタイヤの方から簡単に解説しておきますと、ラジアルタイヤは基本的に“高速・高荷重”領域で効力を最大発揮する構造で、見ても分かるように大きなR(半径)のプロファイル(断面形状)を持つのも、高速高荷重時にトラクションによる運動性(…タイヤへの入力に対する旋回性や反応速度)を安定して得るための内部構造と形状でもあるのです。ですので、低速・低荷重領域ではRが大きく太い分その反応が鈍く重く感じたりする上に、車体=タイヤを傾けたときには、自分自身がタイヤの芯に乗っている感じが得にくくなったりもします。
その一方で、細い“バイアスタイヤ”は日常的な走行=低速・低荷重領域から僅かな入力・操作に対して反応もよく、わずかな車体=タイヤの傾きでも効力=運動性を発揮することを実感しやすくもあるのです……この違いは、ラジアル=トラクション依存型/バイアス=バンク角依存型、という基本の性能・性格によることを覚えておきましょう。その上で、どちらにもそれぞれの性能・性格にオーバーラップするように設計されていて、タイヤのメーカーや銘柄によって、それぞれに込められた技術開発の違いが現れている、というものなのです。
そうした2つの性能・効力を持っているのがオートバイ用タイヤの基本であることをしっかり覚えておきましょう。そして、もう一つ!大きな勘違いをしているのは“トラクション”は曲がるためだけのチカラではなく、推進力の大元・基本でもある、ということです。詳しくは本紙の第3章で……。
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