大人の挑戦

オートバイの荷物=ラゲッジをこれまでの2回にわたって考えてきました……そもそも、荷物は“負担にならない”にこしたことはありません、物理的にも精神的にも。“物理的負担”というのは、まず(1)オートバイにかかる積載の力学的負担のこと(2)走行中にライダー本人の身体にかかってくるものです。そして、それらに気を遣う“精神的負担です。

(1)の力学的負担とは、荷重(重量)の左右均等はもちろんのこと、前回も少し触れましたが、重心に対する距離的な影響・効果のことで、大雑把に言えば“重心(エンジン)から遠いほど、影響・効果はその距離の2乗の割合で大きくなる”のです。なので正直言って、車体後端それも高い位置にトップケースだけを装着したオートバイの姿がナンセンスだったのです。しかもそれがメーカー純正オプションだなんて…。

加えて、ライダー本人の身体への負担もなくしたい!!……肩や背中に負担のかかるリュックや腰を締め上げるウエストバッグなど、身体の自由を奪ったり制限したりする負担は、スポーツライディングのみならず、普段の街乗りやツーリングでも披露につながるので、ゼロに近い方が良いに決まってます。

オートバイで走っている時は、荷物の束縛を受けたくない。身体的に自由な状態でオートバイに乗りたい&操りたい……そんな想いから生まれたのが、ストバイ・オリジナルのラゲッジ・ノウハウでありラゲッジ・システムなのです。

というところで、もうひとつアイテムが必要となってきました……財布や小銭入れ、ヒトによってはタバコなどを入れておくバッグがあるといいなぁ……そんなときに便利な“タンクバッグを探しましたが、これまたなかなかお気に入りが見つかりませんでした。

今から10年ほど前、市販品のマーケットには大小様々ながら、いわゆる“弁当箱”タイプ=平たい長方体のものばかり……それならタンクバッグの元祖“コロナタンクバッグ”があればと思い、ネットオークションを漁りましたら、’70年代製のデッドストックが数種類見つかりましたが希少品でした。

なんか気の利いたカタチのタンクバッグは現行品にないもんか……しつこくネット中を探しましたら、ひとつだけ見つけました。H-D向けバッグを中心に展開していた BAGG社のスポーツスター用タンクバッグ。小さなタンクの上面に乗せるのに工夫された“ラグビーボール型”マグネット装着方式……これがW650用に改造dきないかと電話をしてみると、なんとかつての知人で元JTCスタッフ……ストバイオリジナル・タンクバッグの出発点でした。

以後10年、改良に改良を重ね、様々な機能を盛り込んできた結果、現行品のような姿に成長してきました……正直言って“挑戦”でした。雑誌作りは30年を超える経歴と経験値があるけれど、この15年ほど“自分の気に入ったものを作る”ことに挑戦してきました。長らく雑誌を作ってきた自分がバッグまで作れるとは思ってもみなかった。でも、“作る”ということでは同じなのかもしれないとも思いました。

※詳細は、WEB SHOPをご覧ください。

 

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