足周りであまり語られない事のひとつ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昨年末、僕のW3が車検を迎えたので、検切れ2日前くらいにはアレコレ徹夜で作業をしました。その時はタイヤ交換が主な作業だったのですが、その際にフト思い出したことがあったので、そのことをお話しします………ずいぶん以前に、知り合いと話していて、“ホイールを取り付ける時に、アクスルシャフト(車軸)にグリスを塗るか?塗らないか?”みたいな談義になったんです。僕はもう何十年も“塗る”派できたけれど、その彼は「塗っても塗らなくてもそんなに変わらんよ」と言ったのです。僕にとってアクスルシャフトにグリスを塗る事はもう常識というか習慣化してたのでちょっと驚いたけれど、そうは言ってもその時は“ホイールハブの中で錆びない方がいい…”程度にしか考えていなかったから、その談義の後にしっかりいろいろ考えてみた。そしてひとつの結論を持てたので、今回も躊躇することなく自信を持って丁寧にグリスを塗ったのでした。

その結論とは何か?……グリスには当然“潤滑”効果、つまり可動部分・摺動部分にできるだけ摩擦を発生させないように、油分・油膜によって潤滑するわけだが、よく考えてもみればアクスルシャフトはもちろんのこと、それが貫通する左右ホイールベアリング(インナー)も、2つのベアリングの間隔を維持するディスタンスカラーだって、アクスルシャフト&ナットで締め上げるわけだから可動(回転)・摺動するわけではない。回転するのはベアリングのボールやローラーそしてアウターレースですからね。では、可動・摺動もしないアクスルシャフトに、グリスを塗る意味とは?“シール効果”に期待するからなんです。ベアリングのインナーレースの内径にもディスタンスカラーの内径にも、新品から必ず公差としてのクリアランス(隙間)があって、アクスルを叩き込まなきゃいけないほどキツキツじゃない=水分が入り込む余地がある。さらに外側から支えるカラーだって水も漏らさないくらいピッタリな面で接しているわけでもない。ということは、そうした目に見えない“隙間”から水や水気が入り込むところを、ピッタリ塞いでくれるのが“グリス”の力、ということだと思うのです。

雨の日は全く走らないわけじゃないし、走らなくても雨が降りかかったりもする。そうした時に入り込んだ水気が、ハブ内部に錆を生みます。生まれた錆はさらなる水気・湿気を呼び、錆を増やします。それをひと手間かけてグリスを塗っておけば、必ず防げると確信しています。実際に、これまでアクスルシャフトが錆びていたことはありません=内部も油分が切れていないから錆びない…と確信でき、ホイールベアリングも長持ちさせられるはず。そうなると走行数万キロというスパンの中では大きな差になると思うのです。つーことで、オートバイの車種に関係なく、ホイールを外した時には、アクスルシャフトにはグリスを塗りましょうね!!

 

フロントはメッツラーPERFECT ME11(3.25-19)。

リアはメッツラーPERFECT ME77(4.00-18)。前後とも操縦性、ドライ&ウェット性能、耐摩耗性で格段に優れる、まさにパーフェクトなタイヤ。輸入量が少なく入手しにくいのが難点。

フロントアクスルを抜いてみると、サビてな〜い!ベアリング位置に擦れた跡があるのは僕が乗り出す以前から。

アクスルシャフトにグリスを思い切りモリモリに塗る。使用グリスはさほどコダワってこなかった。普通のリチウム基グリス(通称イモグリ)。

 

 

 

 

アクスルを通す前に、ベアリングのインナーカラーにも、指を突っ込んで奥までグリスを塗っておく。

スピードメーターリテーナーがちょっと乾き気味だったので、ベットリ塗って作動のスムーズさも確認。

サイドスタンドの引っかけの先端に、燃料チューブを切ってつけてみた。

理由はピローボールリンクに変えたら、リンクやジョイント部が少し外側に出てきて、サイドスタンドを見ることなく、爪先で引っかけにくくなったため。鉄棒の溶接も考えけど、手間いらずな方法が閃いたのです。