締め切り後の無気力症候群に、困る。

2月27日に発売した『THE MOTORCYCLISTS’ BOOKS』はおかげさまで大好評。ありがとうございます。

一冊作り終えると、あらゆることに対してまったくやる気が起こらない。これは今に始まったことではなく、ある程度責任をもって本を作るようになってからは毎回、必ず、おこる。困るのは、やる気がないからといって別にダラダラしたいワケでもない、ということ。言ってしまえば「ダラダラと過ごす」ことにもやる気が出ない。

次に作る本の企画は決まっているのだからさっさと動き出せばいいことはわかっていても、どうにもやる気モードのスイッチが入らない。結局こんな自分にスイッチを入れてくれるのは、新しい本の取材だったりするから余計に困ってしまう。

どうやら僕は……編集部に泊まり込み、編集作業に追われながら、次の本の制作に没頭している時間を過ごしていることを一番「心地いい」と感じているのかもしれない……なんて、だんだん確信のように思い始めるようになってきているから、本当に困ってしまう。

何が困るって、編集作業に追われてアタマの中も制作中の本のことでとても忙しくなっている時に限って、まるで関係のない本が読みたくなったり、実際に読むことに妙に集中できて楽しかったり、好きな音楽をいつも以上に聴き込んで年代別の考察なんて始めたり、ずっとぼんやりとしか考えていなかった自分のバイクについてあらためて「自分はオートバイで何がしたかったのか!?」なんて考え始め、無性にあれこれとやりたくなり、終いには忙しい最中、夜中にハンドル交換なんてしてしまったり……要は忙しい時の方が、仕事以外のことにも集中できて「あ〜時間が足りない」なんて言いながらちょっとした充実感を得てたりするのだ。

これらすべて、「やるべき時はいまでしょ」と締め切り後はいつも思うのだけど、この時期はやっぱり、きまってそれら全てに対してやる気が起こらない。おそらくは制作していた本の世界に入り込み過ぎていて、なかなか普段の自分に戻ってこれないのだろう、なんて思ったりもするけど、本当のところはわからない。しかもこの無気力な期間が続けば続くほど、「いつもの自分」なんて存在するのだろうか? つまりは、そもそも何がやりたい人間だったのかわからなくなる不安にも襲われたりするから、やっぱり困る。

というわけで、今日は次の本の最初の取材。何より楽しみなのは、新しいスイッチが入ってくれることなのです。

 

写真に意味はありません。しかしメグロK3は存在感ありますね。よくW800のカラーチェンジじゃないかなんて言われていますが、F19インチでアップハンドルが付くオートバイ然としたスタンダードなスタイルは初代W650以来。