そもそもは、めんどくさいコダワリがあるからいけないのですが、W3に乗り出して11年。オイルはずっと、アメリカ・スペクトロ社の鉱物100%・10w-40を使っていますが、しかし、コ◯ナとか浮雷なーとかで、アメリカモノの流通が悪く、日本に全く届いていないようです。で、オイル交換の時期になってきたので、買いに行こうかと思ったら、まったく入荷のメドがたってないとのこと。しばらく待っているうちに、走行距離は5000キロを超えてしまいました。もうシンボーたまらん、でヤマルーブSTANDARD plus(鉱物系100%・10w-40)を使うことにしたのです。
オイルに関するそのめんどくさいコダワリの内容は、じつに個人的な価値観と経験に基づくものですが、3つあります。
(1)鉱物系を選ぶ理由は、劣化がゆるやかで、走行距離はじつにアバウトでも大丈夫なこと。一般的には、オイルの成分に関わらず3000キロで交換とか言われてます(マニュアルとかで)が、自分がオートバイに乗り出した’70〜’80年代は6000キロとなってたような記憶があるので……それでも、昔から早めの交換を心がけていたから、いちおー4000キロ目安に交換してきた……のだが、手に入らなくて、今回は5500キロ、仕方がないね。でも劣化がゆるやかで減り・消費も少なくてよかった。
一方、化学合成系は経験知的に、文字通り3000キロが限界のものが多い。確かに、化学合成系は交換初期の性能(=フィーリング)が驚くほど優れていると感じたりするのだが、寿命(耐久性)の面で非常に短く、2000キロを超えた辺りからの急激な劣化=オイル消費が進むものが多い気がする(…あくまでも経験上ですけど)。
(2)なので鉱物系、しかもアメリカ“スペクトロ”をチョイスしてきたのは、このスペクトロのベースオイルが“アメリカ・ペンシルベニア原油”(いまは違うというウワサも…)というのが嬉しい。ペンシルベニア原油は中東方面の原油と違って、潤滑に適したパラフィン系(…採れる大陸で性質が違うんですね)。ペンズ、クエーカーステイツ、バルボリンなどアメリカのオイルメーカーはこのペンシルベニア原油を中心に展開してきた歴史があり、鉱物系でも昨今の100%化学合成と同等の性能を誇ってきた。
(3)もちろん、そうではない耐久性に優れた化学合成もあるし、よく言われる空冷旧車エンジンのガスケットへの浸透・透過に対策されたものもあるが、そうした対策をしてあるだけ、正直お値段も高くなってくる。高コストな上に寿命が3000キロ…ならば、同等性能で安価、そして寿命が倍近く長い“鉱物系”、という結論がコダワリな部分なわけです。
あくまでも、個人的な価値観ですので、そうではない考え方の方もいらっしゃるでしょうし、オイルと添加剤に関しては“信じる者こそ救われる”的な部分があるので、絶対とも模範解答とも申しません。あくまでも、僕なりの価値観に基づく冷静で公平な判断=コダワリなわけです。
さらに言えば、この鉱物系100%オイルに加え、“EPL”という添加剤を、もう20年以上も加え続けていますが、これに関しては幾たびかの実体験に基づいて絶大な信頼感を持ってます。1L1500円前後の鉱物オイルに対して、EPLを1000円分=1L2500円のオイルを使ってるのと同じ……これを高いとするか安いとするかは個人の価値観次第ですが、僕的にはじつに安定した安心感を得ています(EPLの実体験に関しては、またいずれ)。
W1系が旧車、W6/W8系は現代車とか関係なく、あんどんカブもすべて同じ、鉱物系+EPLです。その方が迷いもなく、何しろ楽チンです。25年ぶりに、同じ鉱物系とはいえ、今回メーカー/ブランドが変わりました。果たして、どんなフィーリングを見せてくれるか、興味はつきません。