大人のオートバイチャレンジ その3…タイヤ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、第3章は“タイヤ”です……そう、みなさんが一番よく知っているつもりで、アタマでっかちになりがちな最重要機能パーツでもあります。

バイアス/ラジアルの違い、なんてことがよく議論・談義されますが、その仕組みや内部構造の知識はいろいろな本・雑誌で取り上げられ、少なからず知識を持っていらっしゃるオートバイ・ユーザーの方々をよく拝見しますが、それらを使い込んだ際の効果を実際に体感されている方々は少ないように思われます。

ということは、スーパースポーツに標準装着されている太いワイドラジアルどころか、最近人気の旧車のほとんどが装着している細い“バイアス”タイヤの使い勝手・効用を深く理解されている方もまた少ない、とも言えるのではないでしょうか。

まずラジアルタイヤの方から簡単に解説しておきますと、ラジアルタイヤは基本的に“高速・高荷重”領域で効力を最大発揮する構造で、見ても分かるように大きなR(半径)のプロファイル(断面形状)を持つのも、高速高荷重時にトラクションによる運動性(…タイヤへの入力に対する旋回性や反応速度)を安定して得るための内部構造と形状でもあるのです。ですので、低速・低荷重領域ではRが大きく太い分その反応が鈍く重く感じたりする上に、車体=タイヤを傾けたときには、自分自身がタイヤの芯に乗っている感じが得にくくなったりもします。

その一方で、細い“バイアスタイヤ”は日常的な走行=低速・低荷重領域から僅かな入力・操作に対して反応もよく、わずかな車体=タイヤの傾きでも効力=運動性を発揮することを実感しやすくもあるのです……この違いは、ラジアル=トラクション依存型/バイアス=バンク角依存型、という基本の性能・性格によることを覚えておきましょう。その上で、どちらにもそれぞれの性能・性格にオーバーラップするように設計されていて、タイヤのメーカーや銘柄によって、それぞれに込められた技術開発の違いが現れている、というものなのです。

そうした2つの性能・効力を持っているのがオートバイ用タイヤの基本であることをしっかり覚えておきましょう。そして、もう一つ!大きな勘違いをしているのは“トラクション”曲がるためだけのチカラではなく、推進力の大元・基本でもある、ということです。詳しくは本紙の第3章で……。

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春の第39回箱根W1ミーティングは、5月14日(日)開催!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

567禍で2年開催を見合わせていた箱根W1ミーティングも状昨年10月の秋ミーティングで、W1ミー禁断症による暴動など二次被害も怒ることなく無地に完全復活を果たしました。当然のことですが、主催者側の感染対策の徹底によって、開催後の二次拡散などもなかったようです。

ということで、GW後の春のW1ミー“第39回W1箱根ミーティング”は、マスク着用義務も緩和された5月14に、いつもの十国峠で、いつものように開催する運びとなりました。よろしくお願いします。

ここで、主催者側の要請ではなく、あくまでも私感として改めて申し上げたいことがあります……前回以前より目につくようになってきた“参加料のゴマカシ”の件ですが一部動画サイトにも上がっていました心無い者たちの参加料不払い・ちょろまかしばかりでなく、長年の常連参加者の中にも「もう自分は見学者でいいから、バイクを参加者エリアに並べないので参加料も半額でいい」という方がいらっしゃいました。

でもよく考えてみてください……そもそも箱根W1ミーティングは何ら営利目的で開催されるイベントではまるでなく、W1乗り・W1ファンの有志たち(=W1愛好会のスタッフの面々)が当日だけでなく開催前から、そして開催後も準備・活動する、というボランティア精神だけで運営されているファン・イベントなのです。

その上に、参加者名簿・記念写真・記念ステッカーなどの後日郵送物の制作・郵送費なども、参加者皆さんの参加費から捻出されております。なので、そうした類の要・不要、そして駐車エリアが正規参加者用/見学者用に関わらず、皆さんの正規参加費等が開催・運営を支えている…という意味で、是非ともご協力をお願いします。

 

[第38回W1箱根ミーティング開催要項・内容]

神奈川の“W1愛好会”主催で四半世紀以上にわたり開催されてきたこのイベントは、毎回200台前後のW1/W1S/W2TT/W1SA/W3などのオーナー達が全国から駆けつける。39回目となる春のW1“箱根”ミーティングの開催場所は、例年どおりの“十国峠レストハウス(…R1箱根峠から県道20を熱海峠・伊豆スカ方面に南下約10分)”。

希少リプロパーツや記念グッズ・ノベルティなどの販売、また参加者にはお楽しみ抽選会もあり。マナー/モラルを守る大人のカワサキW系オーナーの方はゼヒ、W情報の交換やW談義に花を咲かせにお越しください。W650/800の方でもWスピリットのある方なら参加OK、さらにW1系にちょっと興味アリ…という他機種の方でしたら、見学参加可能(見学参加料500円)です。

■開催日時:2023年5月14日(日)10時受付開始

雨天の場合は1週間順延(5月21日に再開催)

■場所:十国峠レストハウス駐車場(静岡県田方郡函南町桑原1400-20/TEL0557-83-6211)

■参加資格:W1~W3

■参加費:1000円(参加者名簿・記念写真・記念ステッカーを後日郵送)また他機種の方の見学参加は、500円で見学できます(見学希望者には参加者名簿・記念写真・記念ステッカーの後日郵送やお楽しみ抽選会の資格はありません)。

●W1愛好会/〒254-1143神奈川県伊勢原市下糟屋165・TEL&FAX0463-93-2735(会長・髙橋携帯090-3506-4162)

大人のオートバイチャレンジ その2…チェーンも自分好み!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

“大人のオートバイチャレンジ・アジャスト&セティング”は、オートバイの全体の仕組みを考えながら、自分好みを探っていく趣味の行為なんだけど、盲点ともいうべき部分の調整・アジャストが“チェーン調整(チェーンの張り具合)”なんです……え?そんなことで何が変わるの?……結構変わるんですよ。

チェーンはエンジンのチカラを後輪に伝える駆動系の重要パーツ。だから、チェーンの清掃・潤滑に関してはさまざまな書籍・雑誌などで指南されているし、そのための用品・ケミカル用品も数多く用意されているわけですが、チェーン調整・張り具合に関して事細かに解説されているものをあまり見たことがありません。大抵は、メーカーの取説やサービスマニュアルで指定されているアソビ=弛み=チェーンの振幅に設定するというハナシばかりです。

ご存知のとおりチェーン(ドライブチェーン)は、加速時には上側のチェーンが引っ張られてピーンと張り、減速時(エンジンブレーキ時)には反対に下側のチェーンが引っ張られてピーンと張ります。そして、この加速/減速の切り替えはじつは日常茶飯事、まさに気づかないうちにON/OFFを頻繁に繰り返しているものなのです。

その際に、スロットルOFF時の下側のチェーンがピーンと張ったのちにONによる上側のチェーンが張るまでに生じる“タイムラグ(遅れ)”を、チェーンの張り具合によって自分好みに調整しようというもの……もちろん、この逆の場合もあります……つまり、チェーンの“弛み”が少ないとスロットル・レスポンス(反応)は早く、多いとタイムラグも多くなる、というわけです……ウソのようなホントのハナシ。

じつは、僕はいつも自分の体重がメーカーの標準設定体重(だいたい65kg辺り)より大幅に多かったので、フツーのヒトよりリアサスが沈み気味になり、当然チェーンも張り気味になっていたので、昔からチェーン調整は“ユルめ”の設定をしてきました。それでも、ドテ勘+目分量だから、どんなオートバイでも振幅も数値的には10〜20%増し(30〜40mm→50〜60mm)にするのが当たり前にしてますけど、自分的に“張りすぎ”てしまう時もあり、そんな時はスロットル・フィーリングが、なんかスロットに急かされるような印象になってまい、やり直して弛ませています。

余談ですが、レースに出場する時のマシンでは実際に、チェーンの張り具合とスロットルケーブルのアソビをシビアに調整していました……それは、公道走行とはスピード域が断然違うので、コーナリング時の荷重も想像以上に増すために、リアショックが1人乗りでも2人乗りの最大荷重=フルボトムまで動くので、チェーンが張り切ってスイングアームの可動範囲を損なうことがないように、ギリギリまで振幅を大きく設定。その一方で、スロットルケーブルのアソビはまさに“ゼロ”に近くして、チェーンの張り/弛みをリアルに感じられるようにしていました。

いずれにしろ、チェーン調整(チェーンの張り具合)で、“自分好み”のオートバイにできるかできないか…ということを解き明かす第二章なのです。

 

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