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KZ1000に乗り始めたのは2018年の初春。その頃はもう何年もSRで純正マフラー生活を送っていたこともあって、排気音はむしろ静かな方がいいとまで考えるようになっていました。それに当時ストバイ誌面で推していた「GT感」においても、KZ1000の左右に伸びるメッキ・メガホンマフラーのゴージャスな雰囲気はまさにソレで、気に入っていたのでした。
「GT感」は2012年に新しい提案として僕らが付けた呼称ですが、そもそも「GT」とは「Grand Touring(欧州ではグラン・ツーリズモ)」の略。1960〜70年代の欧米で流行した新しい4輪の価値観に端を発したキーワードで、カンタンにいえば、200〜300キロなんてあっという間、例えば休日にコーヒーを飲みに軽井沢あたりまで軽々と走ってしまう……そんな頼もしい排気量とラグジュアリーな乗り心地をもち、さらに道中のワインディングではスポーツ走行だって楽しめる……そうしたクルマでの新しい余暇の過ごし方を提案した価値観。
いわゆる実用から趣味のクルマへと発展していく過程で生まれた価値観で、当然スタイリングもゴージャスかつスポーティ。2012年3月号のストバイでは、1970年モデルのダッヂ・チャレンジャーにも登場してもらったけど、そのデザインは今見てもスタイリッシュ。
で、そうした“GT感覚”を、排気量でもエンジン特性でもスタイリングでも追い求めた最初の国産オートバイが、カワサキW1でありホンダCB750だったのでした。残念ながらW1はアメリカ大陸において「遠くまで快適に」という部分でキビシい部分もあり当時対米輸出は失敗に終わったものの、カワサキはその後のZシリーズで見事に面目躍如。
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何が言いたいかといえば、「スピードが出るのに出さない」ことと「スピードが出なくて出せない」は違うということ。大排気量エンジンが生むトルクの余裕を感じながら、自分が気持ちいいと思うスピードで走る快感……フト気がつけば、景色を見ることすら忘れてエンジン・フィーリングに浸っている。で、あっという間に目的地。そうした欧米生まれの新しい感覚・価値観でW1やCB750、Zシリーズを見直してみようという特集が、当時の「sense of GT」でした。
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というわけで!? 前置き長過ぎのため、「求めたのは”GT”な4 in 1 !? それにしてもエキパイの細さがイイね!!」は、その2へ続きます。
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