SR400初期型外装セット発売されるようです。


1978年の初期モデルに採用されたSR400のカラーリングは、これまでに誕生20周年の1998年やヤマハ創業50周年の2005年にも復活採用されてきましたが、それはキャブレター時代の話。このたびワイズギアさんよりFI(インジェクション)用として、初代カラーリングを施した外装セットが登場するようです。

さらにシートやミラーにヘッドライトケースまで……受注生産とのことで、受付は4月19日〜5月末までだそう。詳しくはワイズギアHPをご覧ください。


気になるのは、純正パーツではすでに生産終了しているサイドカバーデカール。これだけは単体販売してくれたらFIオーナーだけじゃないたくさんのSR乗りが喜ぶと思うんですけどねぇ。あわよくば「SR500」バージョンも。



 


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[SR500F.I.]工具要らずのセッティング!? 季節の変わり目にも……空気圧チェック。


季節の変わり目や、わりと気温の変化を大きく感じたときに「アッそういえば」と思いだすのはタイヤの空気圧。気温が高いと空気は膨張し低いと収縮する。つまり夏の気温で適正だった空気圧もそのまま秋〜冬に突入するとそれだけで空気圧は下がっているということ。11月に入ってからも意外と寒くならなかった東京ですが、昨日の朝は冬の到来を感じさせる気温。そういえばSRはリアホイールを組み直して以来、空気圧のチェックをしていなかったなぁと、編集部に着いてタイヤが冷えてからチェックしました。


現在僕のSRはフロント:2.30kPa、リア:2.50kPaを基準にしていますが、チェックするとフロント:2.10kPa、リア2.30kPa。わずか0.2kPaずつの減少ですが、“自分にとっての基準”を作り普段から気にして走っていると、わずかな差でも不思議と「アレ、なんだかいつもと違う!?」と気がつくものです。

空気圧が基準より下がっているときは、タイヤの接地感が増すことで少し重たく感じ、反対に空気圧が基準より高い場合は、普段よりもゴツゴツとした乗り味や接地感が少ない心もとないフィーリングを感じさせます。

ちなみに……

■SRのメーカー推奨の標準空気圧は、
フロント:1.75kPa(1名)/2.00kPa(2名または高速走行)
リア:2.00kPa(1名)/2.25kPa(2名または高速走行)

もちろん指定空気圧よりも低いのはご法度。でも決して空気圧が高い方が良いというハナシじゃありません。ですが[↑]の指定空気圧を見て思うのは、1名乗車時とタンデム時や高速走行時の空気圧にはけっこう幅があるということ。初めの頃はついつい1名乗車時の空気圧に合わせてしまいがちですが、考えてもみれば高速を走りそのまま下道を走る……なんてことは誰にとっても日常茶飯事。またタンデム(ヒト一人分)とまではいかなくても、キャンプツーリングともなればリアシート部分にそれなりの重量を載せることになります。そもそもライダーの体重だってヒトそれぞれですからね。※ちなみにヤマハの指定空気圧のライダーの想定体重は65〜70kg。

つまりメーカーの指定空気圧というのはあくまで基本の目安と考え、そこから自分にとっての好みを見つける作業も楽しいワケです。いわば空気圧の調整は工具も使わずまず最初に誰でもできるセッティング。


SRではもう10年以上いろいろと試してきましたが、現在装着しているタイヤ、ダンロップK300の場合はフロント:2.30kPa、リア:2.50kPaでひとまず落ち着いています。指定空気圧よりも高めにしている理由は、僕が求める軽快感と安心感、そして乗り心地のバランスがよかったから。ちなみにこれまで付けていたメッツラーME11(F/19インチ)/ME77(R)のときは、フロント:2.10kPa、リア:2.30kPaでした。あくまでこの数値は僕にとっての好みであって、この空気圧だと不安に感じるヒトもいれば、なんだか重たいなぁと感じるヒトもいるかもしれません。当然、同じタイヤでも今後乗り方や好みが変わればそれに合わせ変化するはずだし、その変化を楽しめばいいだけ。

たとえばSRで現在標準空気圧のF1.75/R2.00で走っているヒトなら、試しに2名&タンデム時のF2.00/R2.25にしてみるとその違いが感じられて面白いですよ。まずオートバイが少し軽くなったように感じると思います。それで不安を感じないまま楽しくなった! なんていうのなら、それをひとつの基準にしてみるのもいいかもしれません。反対にその“軽快感”を不安に感じたのなら、あっさり元に戻せばいいワケです。もしくは中間にしてみたり。

大切なのは自分にとっての基準を作ってみて、普段から気にして走り、そして日常的に空気圧のチェックをすること。いま思えば、まだオートバイのことがほとんどわかっていなかったSRに乗りはじめたばかりの頃は、空気圧のチェックとチェーンの注油だけが“唯一自分でも変化が感じられる”楽しいメンテナンスでもありました。

編集部で愛用しているエアゲージは旭産業の棒ゲージ。

ご存知のとおり空気圧チェックは必ず冷間時に、が必須。緊急時ならガソリンスタンドでも構いませんが、一度走ってしまうとタイヤの熱で空気が膨張し空気圧も変化してしまうため、GSでのエアチェックではいつまでたっても“自分の基準”は作れません。そのためにはホームセンターでも買える空気入れとエアゲージをもっておくこと。これだけでもずいぶんオートバイライフは変わります。

そして、コーナリングにおいても空気圧は「これくらいがいいなぁ」なんて好みが出てきたらもう楽しいセッティング沼の始まりです(笑)

[SR500F.I.]フロント・ブレーキキャリパーのオーバーホール……で、何が変わる!? その2


[前回の続き]
ブレーキキャリパーのオーバーホール……そもそものきっかけは、じつはディスクローターの交換でした。

「フロント・ブレーキキャリパーのオーバーホール……で、何が変わる!? その1」は→コチラへ。

 


かれこれ10年使用したサンスターのディスクローターが、今年に入りいよいよ摩耗限界。効き具合は純正同等でスタイルは“孔なし”の初期型ルック。効き目もルックスも気に入っていたのでまたリピート……と思っていたタイミングで、今年の春にサンスターから新製品が登場したため、今回はそちらを使ってみることにしました。

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現在多くのユーザーがノーマルルックのまま楽しんでいるFinal EditionのSR400。

いまでこそノーマルルックでSRを楽しむユーザーが大半ですが、じつは10年ほど前まではSRをノーマルルックのまま乗るヒトなんてほんのひと握り、相当マニアックな存在でした。

ひと昔前までは、乗ると誰もが「いいバイク」と認めるのに、ほとんどのヒトがその後乗り換えてしまうオートバイでもあったSR。最大の理由は、その排気量から中型免許取得後に乗る一台目のオートバイに選ばれやすいため、大型免許を取るとどうしても大排気量車にステップアップしたくなること。もうひとつは、オートバイの原点ともいえるシンプルな単気筒エンジンと、誰の目にも“ザ・オートバイ”と映るそのベーシックな佇まいがゆえに、しばらく乗ると、ツインやマルチ、はたまたオフローダーやアメリカンなど、“違う個性”をもつオートバイにも興味が湧いてしまうこと。

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1984年に発売されたCYCLE WORLD別冊のムック「The SR」(CBS・ソニー出版)より

おまけに’80年代のブリティッシュ・カスタムブーム以降、あらゆるカスタムのベース車両としても人気だったこともあり、SRをそもそものスタイルのまま“長く乗り続ける”ユーザーは少なかったのでした。まぁ、だからこそ40年以上も世代を超えて人気を獲得し続けたワケでもありますが……

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2011年6月号のSTREET BIKERS’。この頃巻頭で特集していた「オートバイ感」の第2回目で、登場したばかりのFI/SRで“SRそのものを愛でる”企画をスタート。


そんな歴史もあり、今から約11年前、SRがインジェクション化されたタイミングとともにストバイ誌上であらためて“SRそのもの”を楽しもうと、“あえてのノーマルルック”企画を打ち出したワケです。まだ月刊の頃ですね、懐かしい。

2011年6月号の撮影時に購入したSRも12年目に突入。

それこそ旧車ミーティングでも、初期型(1978〜1984)のSRが停まっていると「オッSRもいいねぇ」なんて話題になるのに、現行モデルのノーマルSRだとさほど注目されない。その違いは何なのか!? というワケで、「目指せ初期型ルック」からスタートした2010年式SR/FIのモディファイ。

フロントホイールは19インチ化し、フロントフォークのフォークブーツは外しダストシール化、さらにストバイweb shopでも好評の初期型風IKONサスペンションを企画・製作し装着。ワイズギア製のクラシックタイプ・シートに加え、初期型ナロータイプ・タンクへの大改造(その他にも改良点多数)……どれもこれももう10年以上前のことですが、おかげさまで旧車ミーティングでも「初期型?」なんて言われることも多く、SRが誕生した時代感=“’70年代のオートバイらしさ”を楽しんでいたものでした。

※企画の本当のネライは、もちろん見た目だけのハナシではなく、“SRの魅力の本質”を考えなおすこと。ストバイ時代の連載やSR特集、はたまたその後のムックでも書いてきましたが、まだまだ続きがあるため、現在第2弾ムックを企画中です。

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前置きがずいぶんと長くなりましたが……そうした“あらためてSRそのものを愛でる”活動にサンスターさんも共感してくれて誕生したのが、初期型ルックのディスクローターでした。

[左]が約10年前にリリースされた、1978〜’84年モデルに採用されていたフロント・ディスクローターのデザインを踏襲したTRADブレーキディスク(初期型リプレイス用のオフセット仕様もアリ)。[右]が今春リリースされた、そのTRADシリーズの多孔タイプ。

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初期型ルックの“孔なし”デザインが魅力だったSR用のTRADディスクローターに、どうして“多孔”タイプが登場したのか……といえば、サンスターさんによると、今回の一番の目的は、“ブレーキング時の鳴き”抑制だったといいます。ご存知のように、ディスクブレーキが採用されはじめた’60〜’70年代の多くの旧車のディスクローターは“孔ナシ”でした。’70年代後半くらいから孔あきタイプが登場しはじめますが、そもそもその理由は何だったのか?

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サンスターさんによるとその答えは、大きくわけて「放熱性」「軽量化」「水捌け」「パッドのカスの除去」。ブレーキパッドがディスクローターを挟み、そこで発生した摩擦熱により制動力を発揮するディスクブレーキ。ある程度の摩擦熱が発生しないと制動力が生まれないディスクブレーキですが、一方で高温になり過ぎると、フルードが沸騰しフルード内の気泡により油圧が効かなくなったり、パッドやローターが変形してしまうこともあるといいます。

ディスクローターに孔を開けることで、表面積が増え放熱性は向上し、軽量化にも貢献、さらに雨天時にはタイヤの溝のような役割も果たし、パッドのカスの除去にも役立つ……どれか一つのために孔やスリットが加えられたのではなく、どれもが重要な目的だったのだそう。さらに、このなかの「パッドのカスの除去」が、ディスクブレーキの鳴きの抑制にも大きく貢献するのだといいます。

 


当然、SR用の初期型風“孔なし”デザインのTRADシリーズは、飛躍的に進化した現行車のブレーキシステムと材質の向上により可能となったワケですが、パッドのカスが誘発することもある“ブレーキの鳴き”を完全にクリアするのは至難のワザ。とはいえ、旧車のようにキーキー鳴り響くワケじゃありませんが、僕も10年使用するなかで何度か経験しました。でもその都度、パッドを外しキャリパーを清掃するだけでその後はまた長期間鳴かなくなるので、さほど気になりませんでしたね。むしろトラディショナルなスタイルなのに、現行車と同等の効き具合の恩恵の方が魅力でした。

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現在は’70年代のオートバイらしさとともに、古き良きヤマハ・ハンドリングをSRでも楽しむ!!  ……を目標にスポーツ・ハンドリングを追求し、鍛錬&セッティング中のSR。そんな“いまの感覚的”には、初期型風トラディショナル・スタイルよりも、少し性能向上を図った雰囲気の多孔タイプがピッタリだったワケであります。ちなみに、フロント周りのレスポンスを探求中で、少し前にFホイールは18インチに戻したところ。なぜフロントだけキャストホイールなの!? なギモンはまた次回。

なんだかんだと長くなってしまいましたので、本題のピストンシールを新品に交換した効果!? については、その3で。

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