『ハバよりもマチ』 —STDサイズでも十分

実用性も視覚的にも理想的な“マチ”に仕上がった今シーズンのSIDE CARGO PACK。左右振り分け時、荷物積載時のこのルックスが求めていた旅感でもあります。

『ハバよりもマチ』

大事なのは、というより意外と重要なのは「バッグの横幅よりもマチ」。今シーズンのSIDE CARGO PACKはスタンダードサイズしか作っていないからか、気温が上がり始めた3月下旬頃から「ラージサイズのSIDE CARGO PACKの問い合わせ」をたくさんいただいてます。でもご安心ください、前モデルよりもマチを“こだわりの1cm”増やした2025バージョンは、普段使いからキャンプツーリングまで使える絶妙なサイドバッグに仕上がっていますから。


今日からクーポンコード記入で10% offになる[SDSSーSix Days Spot Sale]を開催しているので、実際にどれくらい“使えるか”をご覧いただきましょう。これは僕が普段キャンプツーリングに行くときの積載(後ほど積載内容も)


ラージサイズを振り分けた時の“量感”溢れる旅してる雰囲気もいいのですが、もっとスッキリ身軽に、でも必要な荷物は持っていく……そんな感覚です。


買い出し用のバッグは昨年ネットで見つけた保冷バッグの役割も果たす、折りたたみ式のこの大型バッグ。ビールも肉も野菜も何でもかんでも突っ込んでカラビナで留めてOK。これまでクーラーバッグは小型のものも使ってきましたが、ストレスだったのは買ったものが入りきらなかった時。このバッグを使い始めてからそのストレスから解放されました。そしてサイドバッグのインナーのオレンジ、こうした時の視認性の良さは地味に効果的です。この実用感も使い始めたら実感することが多いはず。 
左右振り分けとして使用する場合には、自転車用の細いサイズのROKストラップを使用して、左右のSIDE CARGO PACKを連結して使うのがおすすめです。こうすることでバッグのショルダーベルトがお尻の下を通ることも回避できますし、リアシート上に荷物を括る時でもツーリングコード等が使用しやすくなります。
ある意味イチバン大切な!? 広い着座スペースもしっかり確保します。これマスト!キャンプだって到着するまでは走りを満足できなきゃ大人のツーリングじゃありませんからね。


今回の積載荷物はざっとこんな感じ。左から“長モノ”を収納したダッフルバッグ、スタンダードサイズのSIDE CARGO PACK 2025ver.、着替え(下着とタオル)、レインウエア、ツーリングコード(ROK ストラップ×2/モトフィズ・バッテンコード)。


まずはダッフルバッグの中身。左からSOTOのテーブルにモンベルの焚き火台、モンベルのエアマット、自作ベーコン炙りタワーキット、タープポール、テントフレーム、イス。


振り分けサイドバッグの中身がこちら。左から、モンベルのテント(ムーンライト)、3シーズン用シュラフ、ガソリンストーブ(スベア123)、タープ、保冷バッグ、ユニフレームの角クッカー、カップ、シェラカップ、カトラリー、ビニールシート、蚊取り線香、ライト関係、調味料、ペーパー、燃料、着火剤、ナイフ、ライター、ランタン。


特別な軽量コンパクト化は考えていない積載です。もっと軽くコンパクトにするなら、焚き火台をピコグリルに変更してタープとイスをやめるパターンもありますが、現状でまだまだ積める状態なので、ここ数年はこれくらいの荷物で落ち着いています。


ちなみに冬ならサーマレストのウレタンマットを追加します。リアフェンダー上のデッドスペースにウレタンマットを積載すると、キャリア代わりにもなって便利ですよ。あくまでリアシート上も加味した上での積載ですが、スタンダードサイズの左右振り分けでもけっこうイケるんです。そして見た目はすっきりスマートでオールドスクール。低重心化も図れて完璧です。

 

[SR500F.I.]クラッチレバーの“遊び”、お好みは?? その3

[上]がSRでずっと使っているストレートタイプのクラッチレバー。[下]がいつから採用されているのか調べていませんが、僕の2010年式も含めた現行のSR純正クラッチレバー。いわゆるパワーレバーと呼ばれる、’80年代以降はリプレイスレバーの主流でもあるドッグレッグ・タイプですね。今やほとんどのメーカーで新車から採用されているドッグレッグ・タイプのレバーですが、僕はストレートタイプの方が好み。もちろん見た目の話ではなく。

■「クラッチレバーの“遊び”、お好みは?? その1」はこちら

■「クラッチレバーの“遊び”、お好みは?? その2」はこちら


ここでようやくブログタイトルの本題。みなさんはクラッチレバーの遊びをどのくらいに調整してますか?

僕のSRは(KZでも)、写真の状態でクラッチが完全に切れているくらいにしています。写真じゃホント伝わりづらいのですが……メーカーの新車(広報車)の調整状態が一般的だとすれば、それよりも少し遊びが少なめの状態。構造上、必要な遊びを確保した上で、写真のように人差し指と中指の第二関節が軽く曲がる程度、この状態でクラッチが切れるくらいに調整しています。一般的な感覚からすると、クラッチが繋がるのが“少し遠く”感じるあたり。できるだけ“深く握らず”にクラッチが切れるくらいが好みです。


指先だけで操作するためクラッチは軽いに越したことありません。ですが従来のクラッチスプリングに不満があったかといえば、そうではありません。

そもそもよく話題になる「クラッチが重たい/軽い」は、おそらく「軽い方が発進時に半クラ状態を維持しやすい=じわ〜っとレバーを放しやすい」という理由が大半だと思いますが、スムーズな発進で意識しなければいけないのは、クラッチというよりスロットル操作。


じわ〜っと恐る恐るクラッチレバーを放す(=半クラ状態が長い)ヒトがやりがちなのが、スロットルを開け回転を上げてからクラッチレバーを放していく操作。いわゆる教習所で習う坂道発進のやり方。エンストしたくない気持ちはわかりますが、スロットルを開けていればいるほど、いつクラッチが繋がるか不安で余計にジワ〜っとレバーを放す操作になりがち。しかもスロットルにもクラッチにもどっちにも意識を向けていないといけなくて意外と大変。それよりもよっぽど安心して発進できる操作手順は、後輪に駆動力がかかり、車体がスルスルッと押し出され始めるトコロ(=クラッチが繋がる場所)までスパッとクラッチレバーを放し、その後はスロットル操作だけで丁寧に発進する操作。

この操作手順に慣れてしまうと、半クラを多用することもなく、無駄にクラッチ板を消耗させることもなくなり、なおかつ丁寧なスロットル操作……意識的にはミリ単位で開け閉めするスロットル操作を覚え、スムーズな発進もスムーズな加速も微細なスロットルワーク次第!! という楽しいオートバイライフが始まる特典付き。つまりクラッチが重い/軽いはさほどストレスにならないのです(もちろん限度はありますよ)。


そんな時、僕にとってはクラッチレバーの遊びが少なめ=やや遠くでクラッチが繋がる方が操作しやすいんです。何が言いたいかというと、クラッチレバーの“遊び”ひとつとっても、正しい操作手順を知り、自分の好みが見つかるとよりバイクライフが楽しくなるというハナシ。ちなみにクラッチ板は約6万キロは使用していますが、まだ使用限界を迎えていなかった(というか、見た目にはほとんど磨耗していない)ので、新品も準備していましたが、ソッとそのまま戻しました。

ドッグレッグよりストレートレバーが好み……というのは、シフトチェンジ時のクラッチレバー操作においての話なんですが、長くなるのでまた次回。


このレバーは2年くらい使ったでしょうか? 軸の部分が長穴に変形していました。


とはいえ、せっかくクラッチを整備するのだからと今回400FI用のスプリングに交換しましたが、やはり軽いに越したことはありませんね!

[SR500F.I.]クラッチレバーの“遊び”、お好みは?? その2

写真ではプッシュレバー装着部分の“オイルシール上”に付くワッシャーが付いておりません……ハイ、装着時に忘れました。ご容赦を。

SRのクラッチ調整が手元(レバー部分)だけじゃないことは、もはやSR乗りならば周知のことですね……なんてエラそうに書いてますが、乗り出してから3年くらいまではじつは僕も知りませんでした。クラッチワイヤーをレバー側から追っていくと、クランクケース上部のシリンダー後方に辿りつきます。指で押さえているプッシュレバーと呼ばれるパーツのアーム部分が、クラッチレバーを握る=クラッチワイヤーを引くことで反時計側に引っぱられ、クラッチが切れる(=クラッチ板が離れる)わけですが、今回クラッチ周りをバラしたついでにその仕組みを写真に撮ってみました。

■クラッチレバーの“遊び”、お好みは?? その1はこちら


一番上の全体図の写真は、先ほどのプッシュレバーのアームの下の部分。つまりSRを真正面から見た時のクランクケース内部。

[上2枚の写真]がクラッチが繋がっている状態で、[3枚目の写真]がクラッチを切った時の状態になります。つまり3枚目の、プッシュレバーが45°ほど反時計方向に回転し、その分だけプッシュロッドを押している状態が、クラッチレバーを握りクラッチを切った時。順を追って説明すると……

1:クラッチレバーを握りワイヤーを引く

2:クラッチワイヤーにプッシュレバーのアームが引っ張られ、プッシュレバーが反時計側に回転する

3:回転したプッシュレバーが、プッシュロッド2(長い方のロッド)を押す

4:プッシュロッド2がプッシュロッド1(1円玉ほどのアタマが付く短いロッド)を押す

5:プッシュロッド1がプレッシャープレートを押し(=クラッチスプリングを縮めて)、クラッチが切れる(=クラッチ板が離れる)

というのが、一連の仕組み。

FI用のクラッチスプリングに変えると“クラッチが軽く”なる……その理由は、クラッチを切ることは、何枚ものクラッチ板を押さえ続けていた“バネを縮める”ことだから。


ここであらためてプッシュレバーの写真(モノクロ)。

マニュアルによれば、写真のように指でレバーを押し、クラッチの遊びをゼロにした状態で、赤線のようにプッシュレバーのアーム先端の中央とクランクケースに付く凸(ポッチ)が一直線上になる位置が正常な状態。僕も過去に経験ありですが、よくあるのはアーム先端中央が“凸部分より前方”に来てしまっている状態。その原因は、プッシュレバーやプッシュロッドの当たり面の磨耗とプッシュレバー位置の調整不足。そうした状態になると、いわゆる「クラッチが重たく」なり始め、クラッチの切れも徐々に芳しくなくなってきます。テコの原理でもあるので、ドラムブレーキのアームの角度と同じ話でもありますね。


プッシュレバーとプッシュロッドはこんな状態で、クラッチを切る度に、レバーがロッドを押す→戻るを繰り返しています。写真は今回交換したプッシュレバーですが、このように磨耗していきます。もちろんプッシュロッド側も。


プッシュレバーやプッシュロッドの当たり面が摩耗してくると、先ほどの正常な位置にならなくなってくるため、SRではプッシュレバーの“高さ”を変え、プッシュロッドとの当たり面を上下にズラす事で、何度か調整が効くようになっています。そのプッシュレバーの高さを調整するのが、偏心カムがついたアジャストボルト。ドライブスプロケット部分のカバーを外すと、プッシュレバーが入っている場所にプラスドライバーで調整するボルトが見えますが、コレが偏心カムが付くアジャストボルト。17mmのロックナットを緩め、時計回り/反時計回りに回すことで、偏心カムがプッシュレバーの高さを調整する仕組みとなっています。そのためSRでのクラッチの遊び調整(久しぶりの場合は特に)は、まずレバー部分ではなく、プッシュレバー側を確認してから……というのが正しい手順というわけです。

プッシュレバーと当たる側のプッシュロッド2の先端の磨耗具合。(奥が新品)

プッシュロッド1と当たる側のプッシュロッド2の先端の磨耗具合。(奥が新品)

同じくプッシュロッド2と当たるプッシュロッド1の先端の磨耗具合。(奥が新品)

偏心カムが付くプッシュレバー位置のアジャストボルト。もちろん奥が新品。

現在の走行距離は約11万キロちょっと。おそらく4万5000キロ時に500cc化した際に、クラッチ周りの部品も新品に交換されているはず(不覚にも未確認)なので、先日外した部品は約6万キロほど走行した後。ぞれぞれがそれなりに摩耗していましたが、アジャストスクリューの偏心カムが一番摩耗していました。でもココ、こんなに摩耗しますかね? 仕組みを知らない時代に、僕がグリグリと回し過ぎたんでしょうか?

次回へ続く。

 

 

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