[SR500F.I.]キャンプツーリングでの積載のテーマ……を、ちょっと楽しんでみました。その1


9月末に発売した『大人のBIKE CAMP VOL.4』。第2特集「旅のTPO」では、オートバイの積載美ってあるのだろうか? —というギモンから、旅慣れた6人のバイクキャンパーの積載事情を取材してきました。

詳しくは誌面をご覧いただくとして……取材した感想は、誰もが枠に捕らわれていない自由な積載を工夫していて、なんだか同じキャンプツーリングでも“出発前からずいぶん楽しんでいるなぁ”といった印象。


……と、いうわけで。

基本はまぁいつもの積載なんですが、以前から考えていたイメージもあり、少し積載の工夫も楽しみながら一泊キャンプへ行ってきましたので、キャンプツーとともにレポートしてみます。

 


先週は富士山の麓でのキャンプだったので、今回は3時間程度の距離ながらたっぷりと峠道も楽しめる奥多摩エリアへSRで行ってきました。最近少しだけ覚えた(?)ことが、「のんびり休憩してみる」こと。これまでじっくり腰を据えて休憩すると、つい“走る時間”が減ってしまうような切迫感がありましたが、景色のいい場所を見つけたらちょっとだけ積極的に休憩してみることにしています。

今回もパン屋の看板につられて脇道へそれてみると、パン屋の先にそのまま河川敷へ下りられる道がありホッと一息コーヒー休憩。サイドバッグからコーヒーセットを取り出し、あんぱんとともにずいぶんのんびりしてしまいました。

久しぶりにタープポールを2本用意し“小川張り”をしてみましたが、アライテント製ソロタープではやはり意味がありませんでした。


今回のキャンプ場は奥多摩から山梨県に入ったあたりにある〈奥秋テント村〉。テントサイトまでの川を渡る橋が軽自動車がギリギリ通れる幅しかないキャンプ場のため、必然的にソロキャンパーの聖地的な評判もあるところ。さらにリーズナブルでゴミ捨て場もある、バイクキャンパーには最高なキャンプ場。ちなみにこの日は平日だったこともあり、僕を含めてキャンパーはソロで3人だけ。


しかもキャンプ場利用者は300円で入れる温泉までバイクで5分!! 設営でたっぷり汗をかける安心感はやっぱり嬉しい。


作った本のひとり反省会をし、夕飯は1合の米を炊いてカレー。ユニフレームの山クッカーの小さい方+固形燃料での炊飯は、焦げ付きも一切なく超GOODな炊き具合。その後は河岸を変え!? 焚き火でベーコン炙りながらウイスキーをストレートでチビチビと…。


じつは今回のキャンプのもうひとつのテーマが飲み過ぎないこと。

昔からとにかくお酒が大好き。ソロキャンプの楽しみは誰にも邪魔されず延々と飲み続けられること……なんて思っていたフシもあり大抵翌日はグロッキー。で、肝心のバイクも楽しめたもんじゃない。歳のせいか、だんだんコレが本気でツラくなり始め、今回はご飯メニュー+ほどほどのお酒……にチャレンジしたのでした。チャレンジなんて大げさな……と思うかもしれませんが、酔わないと飲んだ気にならないタイプの酒好きならお解りいただけるかと(笑)

当然ながらコレが大正解。眠りは深く、自然の中で目覚める清々しさも初めて!? 体験(笑) 朝からご飯まで食べちゃって……もう最高でした。

というわけで、本題の積載話しは、キャンプツーリングでの積載のテーマ……その2 で。

『大人のBIKE CAMP VOL.4』9月26日発売です。

バイクキャンプを趣味にする――がコンセプトの『大人のBIKE CAMP』第4弾。

2019年から毎年秋に発売している、唯一のバイクキャンプ専門誌『大人のBIKE CAMP』。VOL.1は、これからバイクキャンプを始めるためのギアカタログ。VOL.2は、全国各地のバイクキャンパーを取材したスタイルカタログ。VOL.3は、キャンプツーリングをもっと充実させるための「タープと積載大全」。そして今年のVOL.4では、「“寒い”が楽しくなる装備とコツ」をテーマに、キャンプのハイシーズン、秋から冬のバイクキャンプについて、あらゆる角度から考えてみました。

また、第2特集「旅のTPO」では、車種もジャンルもバラバラな6人の旅慣れたバイクキャンパーを取材。たまに見かける、積載が“こなれ”ている旅慣れたバイク乗りの“積載の工夫とこだわり”について聞いてきました。求める機能性に少しのユーモアを加えた、バイク乗りならではの積載への美意識は見応え&読み応えも抜群です。

表紙はこちら。9月26日発売です!!

――目次
004――INTRODUCTION
007――旅の心得。

014――WINTER EQUIPMENT「“寒い”が楽しくなる、装備とコツ」
    ■WINTER CAMP RIDER
小野哲成 + YAMAHA SR400SP
浅野俊一郎 + HARLEY DAVIDSON SPORTSTER
綾部悠樹 + BMW R100GS

    ■WINTER CAMP GEAR
「ヌクい寝床」

    「小さな焚き火台ってどうなの!?」
    「冬ストーブ学」

    「ぽかぽかインナー考」
    「キャンプも走りもGOODなブランドPick up」

060――MOTORCYCLE FOR CAMP TOURING
HONDA XL750 TRANSALP
066――旅のTPO「積載も楽しむ!? バイクキャンプ。」

    高下隆次(On Any SANDA) + HONDA CL77
小林健太(tempra garage) + VESPA50改90
松本真二(HAMANS CUSTOM) + HARLEY DAVIDSON ’53PANHEAD
岩田慎一(SPEED BUGGY MOTORCYCLE SERVICE) + HARLEY DAVIDSON ’74XLCH
鈴木和則 + HONDA XR250 Baja
河村紳二(LOCAL SHOP) + VESPA PX200BME

092――MOTORCYCLE FOR CAMP TOURING
ROYAL ENFIELD SUPER METEOR650

[KZ1000]大人のBIKE CAMP校了打ち上げキャンプツーリング。


4年前から年一回のペースで毎年9月に発売しているキャンプ好きバイク乗りのためのムック『大人のBIKE CAMP』。第4弾となる2023年バージョンは来週の火曜日、9月26日に発売です。週末〜週明けには表紙&内容紹介もしますのでお楽しみに。

というわけで、連休明けに校了打ち上げ的なキャンプへ行ってきました。制作中も何度か行きましたが、やっぱり半分以上仕事ですからね。ひさびさのプライベートなソロキャンプはなんだか行く前からワクワクしてました。


当初は朝イチ出発で少し遠くまで走ろうかと考えてましたが、午前中にちょっと仕事もあり結局準備を終えたのは11時過ぎ。編集部から2時間程度で行ける富士山周辺でキャンプすることにし、まずはお昼ご飯の富士宮焼きそばを目指し出発。これまた久しぶりにKZ1000でパッキングしましたが、ずいぶんこなれてきたラージサイズのサイドバッグが良いサイズ感で収まってますね。差し色的なタンクバッグの“赤パイピング”もいい感じ。自己満ですが、パッキング姿に惚れ惚れできるとツーリングのテンションもアガりますよね。


平日の昼だってのに東名が事故渋滞に工事渋滞で富士インターまで2時間もかかり、腹ペコでインター近くの〈鉄板焼ちゃん〉に到着。ここは富士宮のW1クランク職人で有名な〈Uクランク〉植澤さんに連れてきてもらったことがあるお店。その名のとおり、一品ものの焼き物系も豊富で、ついついビールが頼みたくなるお店ですが、グッとこらえて富士宮焼きそばのみ注文。他にも老舗や名店もありますが、平日休みだったりランチ営業時間が短かったりとこのテのお店はタイミングが難しいですが、〈鉄板焼ちゃん〉はランチから夜まで休まず営業なので安心です。


この日のキャンプ場は、大昔に秋のフジロックなフェス、朝霧ジャムの取材以来20年ぶり!? な、朝霧オートジャンボリーキャンプ場。それはさておき、受付と同時に薪も買いましたがROKストラップの許容度ハンパないですね。リアシート上にテント+イス+コット+サンダルを括ってましたが、その上から二束の薪を一気に締め上げられたのにはちょっとビックリしました。もうキャンパーにはおなじみのギアですが、使えば使うほどコレ一択になりますね。


全国的に雨予報はなかったはずでしたが、じつは行きの高速では御殿場でけっこうな雨雲に遭遇しPAで雨宿り。スーパー買い出し中に富士宮周辺だけまた雨で再び雨宿り……なんてことしてたらキャンプ場に到着したのは16時半頃。暗くなる前に大急ぎで設営しました。


10年以上mont-bellムーンライト愛用者でしたが、ついに新たなテントが仲間入り。ムーンライトはシームテープの貼り替えやショックコードの交換と、だいぶメンテしながら過酷な使い方をしてきたのでちょっと休憩。選んだのは、ムーンライトとともに’80年代以降のバイク&ツーリングブーム時代からバイクキャンプを支えてきた名品、ダンロップテント。モスラ形状の“寝るだけテント”なムーンライトが長かったので、ずっと憧れていた“過ごす広さ”のあるテント。ムーンライトは一人用でしたが、今度は2人用でしかも天井が高いトール仕様。で、両開きのため、今の季節でも風が通り抜け想像どおり超快適。フライシートのカラーは昔ながらの原色ブルーがよかったんですが、昨年からこのライトブラウンのみの展開なんですよね。ここ数年4輪メーカーでも流行っている、アウトドア&キャンプシーンを標榜したベージュ系のカラーリング。パッと見は雰囲気がいいと見せかけますが、やっぱり安っぽいダンボールカラーに見えてしまうのは僕だけでしょうか…。


さて、この日の楽しみは豚ブロックの烏龍茶煮チャーシューの挑戦。このメニューはストバイ時代のキャンプ取材で、一緒に行った仲間が作ってくれて最高だった思い出の一品。烏龍茶で煮て火を通し、ジップロックで1時間ほどめんつゆに漬け込むだけ。


チャーシューを待つあいだに、今年最後の枝豆とエリンギ炒めを食べながら乾杯。
で、見事なチャーシューが完成しました。そのまま食べても、軽く炙っても美味しく、だらだら飲むのにもう最高。ここんとこ酒の肴はベーコンを炙ってばかりいましたが、このメニューもアリですね。


試行錯誤しながら入れ替わりも激しいキャンプギアですが、快適さと増やし過ぎないことに注意しながらだいぶ落ち着いてきました。ヒトの道具を取材してばっかりなので、たまには積載状態とともに紹介。[上段・右]のロスコのバッグには、1つにはストーブやクッカー系にナイフ系をまとめ、もう1つにはシュラフカバーやソロタープ、ライト&ランタン系にコンパクトテーブル、その他小物を収納しています。[上段・左]はもう1つのテーブルとクーラーバッグ。[下段は右から]イス、テント&グラウンドシート 、タープポール、コット、座布団、シュラフ、そして焚き火台×2種。


ソロタープはムーンライトにもダンロップテントにもベストマッチな〈アライテント〉のタープ。ポールも超コンパクトになるアライテント製です。
焚き火台はピコグリルの398と239の2個使い。最近追加した縦型の239がまたスグレモノで、炎が消えかけた状態でも空気を送り込むことなく、薪をくべたり薪位置を調整するだけでまた勝手に燃え上がる燃焼効率の良さ。上昇気流を利用した、高い燃焼効率をもつこのテの小さな“ボックス型”焚き火台は数々ありますが、ピコグリル239は市販の薪でもなんとか突っ込める許容度が怠惰な僕にはまた最高で。炎が大きくなりすぎたら398に避難させ、弱まってきたら239へ……といった具合で、焚き火の幅がグッと広がりました。2つ合わせても数百グラムですしね。おまけにこの239、じつはピコグリルシリーズの中で最初にデビューした焚き火台。名品のルーツでもあるんですね〜。


ストーブはガソリンタイプのスベアストーブと4年前に自作しまくったアルストの2種。どちらも出発前に燃料を補充しておくだけで、キャンプ中に燃料の心配をしなくていいことが気に入ってます。また両方ともシンプルで丈夫なところもいいですね。



テーブルはSOTOのA4サイズベルモントのサイドテーブルの2種。


ナイフ類は、ノコギリとバトニング用ナイフと包丁を持っていってますが、肉を切るのに包丁が活躍するくらいで、結局ノコギリもナイフもほとんど使っていません。


積載状態がこちら。両サイドのサイドバッグは、買い出しやゴミ、天候次第で増える着替えやJKT等の収納を考え若干余裕がある状態にしています。リアシート上にはテントとコットとイスにサンダル&小マットとグラウンドシートを積んでいますが、ロングツーリングなら+レインウェアですね。4つあるサイドバッグのサイドポケットには燃料ボトルや各調味料に水筒なんかを入れています。


気をつけていることは、2束の薪を含め!? 急な荷物が増えた時にも対応できるように、リアシート上はあまりこんもり積み過ぎず、余裕を確保した状態にすること。見た目にもスッキリしますしね。そうした意味でも、やはりある程度の容量がある振り分けサイドバッグは必須。


必須ギアといえば、ベストも一枚あるといいですね。高速でも疲労感がまるで違いますし、急な気温の変化にも一枚あるだけで安心感はずいぶん違います。TシャツやロンTの上にもいいし、ナイロンJKTの上からでも効果絶大。これはSAMSのデニムベストですが、ベストを着たことがあるヒトならわかると思いますが、ベストって走行中の腕を上げた状態だと、若干肩の部分が浮いてしまう場合もあるんですが、コレは裾に付くレザーが“ちょうどいい重量”を発揮してくれ、走行中にベストが浮き上がることなくストンと落ち着いてくれるんです。ストレスフリーで着心地抜群。おまけにカーハート型デザインで合わせやすいためオススメです。

ではでは、近日中に『大人のBIKE CAMP VOL.4』のお知らせもしますのでお楽しみに。新たな課題も見つかったので、10月にまたキャンプですね〜。

 

 

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