多摩川住宅とメグロとW。〜続・続、メグロとWを巡る旅。8割終了?


多摩川住宅は1966年から’68年にかけて建設された、東京狛江市と調布市にまたがる昭和風情が残る団地。ここも一昨年くらいから再開発がはじまり、この春には隣のひと区画分に立派なマンション群が完成していました。

1966年といえば、カワサキW1がデビューした年。翌’67年には鮮やかなキャンディカラーのW1スペシャルが、いわゆる“ダブワンサウンド”を響かせたキャブトンタイプのマフラーで登場。それまでのモナカマフラーにはなかった、歯切れが良くて、弾けるような乾いた排気音。

初期W1に乗るユーザーも、その先代のメグロKシリーズに乗っていたユーザーも当時こぞってキャブトンタイプに変えたのでしょうか……という想像を膨らませて、昨日は多摩川住宅近辺でメグロK1の取材・撮影でした。

セニアとスタミナ。続・メグロとWを巡る旅。


ありがたいぽかぽか陽気の中、今日は横浜にてMEGURO セニアT1 & Z7の取材📷

一般にはほとんど販売されていなかったとも言われるメグロ初の650ツインと、熟成を重ねた500シングルの最終型。どちらも同じ1958年モデルでした。

どんなモデルでも、“初期型”にしかないチカラの込めようが垣間見れたり、一方でロングセラーモデルであればあるほど、熟成を重ねた最終型の完成度にも目を見張るものがあったりします。そうした意味でも興味深い2台を同時に取材させてもらえ、オーナーさんといろんな話をしながら、1950年代後半の日本に想いを馳せていました。


というわけで、本日もありがたく試乗させてもらい、だいぶ左ブレーキ右ロータリーシフトにも慣れてきました👌

セニアからK1、そしてK2とW1。少しずつ時代背景とともに2気筒シリーズにも興味深い違いが見えてきております。というわけで、メグロとWを巡る旅、まだずっと続きます。


そんな最近の取材スタイル(バイク)は、両サイドにSIDE CARGO PACK (一眼レフカメラ+望遠レンズ+取材道具)、そして脚立をリアシート上にON。こんな時でも自由に動ける着座位置スペースの確保は当然です。


それにしてもクラシック・シートバッグの装着にも使うモトフィズの通称バッテンコード、やっぱり使えます。ストバイONLINEでも購入できますので、知らなかったという方、一つあると便利ですよ!!

 

 

メグロとWを巡る、長くて深い旅へ……


これは1937年に誕生した目黒製作所の第一号モデル、OHV単気筒500ccのZ97型の貴重なオリジナルのカタログです。先日、戦後に生産されたZ97型の後継、“Z型”を所有するオーナーの方よりお借りした貴重な資料です。


こちらがそのZ型。各部に改良は加えられたものの、ガーターフォーク+リジッドフレームにOHV単気筒500ccという構成は共通。その後、500シングルのZシリーズ、250シングルのジュニアシリーズが目黒製作所のメインラインナップとして展開され、1950年代後半に650/500ccの2気筒モデルも生産し、それが現在に続くカワサキWシリーズの源流となっていくのでした。

 


こちらは1960年代に登場したジュニアシリーズの末弟、OHV250cc単気筒のS8。目黒製作所として生産された最後のジュニアシリーズで、カワサキとの業務提携後に登場した250SGは、メグロの名はあくまで車名として付けられたカワサキ主導で生産されたモデルでした。このジュニアシリーズが1992年に登場したエストレヤの源流です。

 


こちらは昨年暮れに発売されたカワサキMEGURO S1。2021年にMEGURO K3が登場した際にもじっくりと考えながら本を作りましたが、メグロとWには、根底の部分で大昔から現在まで共通する何かがある気がしてなりません。エンジンの構造が違うだの、素材やカタチが違うといったことは枝葉末節なことで、もっとその手前にある、オートバイとしての芯を貫いている何か……。11月にS1に試乗し、先日その源流にあたるS8にも試乗しましたが、その気持ちは強まるばかり。

手前は1950年代中盤に登場したプランジャーサス仕様のジュニアシリーズS3。奥がS8。


というわけで、年明けからメグロとWを繋ぐ光を探す、長くて深い旅に出発しました。お楽しみに。

 

 

 

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