『大人のコーナリング VOL.2』12月11日発売。内容紹介その1。


『大人のコーナリング” VOL.2』
考えて曲がる”…そのために知っておきたい技術論理。

■はじめに…
コーナリングの不安や恐怖を解決するのは、知ること。

コーナリングが上達するにはひたすら練習……と思いがちですが、やみくもに走るよりも“オートバイの仕組み”を知ることの方がよっぽど近道です。大切なのは、「何を意識して走るのか」。それは、オートバイの仕組みや構造に逆らわずに操作できているか? あるいは、どれだけオートバイの動きを感じられているか? が、コーナリングが楽しくなる最初のポイントだからです。

一昨年発売したVOL.1では、オートバイの仕組み、そしてコーナーの仕組みを、その根本から解説することをテーマとしましたが、VOL.2では、さらに一歩踏み込み、コーナリング中に起きていることを、オートバイに乗っている・操っている“自分目線”の感覚から考えていきました。

とはいえ、VOL.1を読んでいない人でも基本からわかるように、知っておきたい内容の“順序”と“読みやすさ”を大切に編集しています。また、全部で3つある章(STEP)を飛び越えて気になる“項目”だけを読むこともできるよう、見出しの大きさや文章の量も調節しました。本誌が「テクニックではない、基本の仕組み・構造を知ること」に徹しているのは、根本を理解しないかぎり、知り得た情報も“自在に使える”知識・知恵にならない、と考えるからです。本誌の情報が“使える知識”になった時、フト上達の一歩を感じられるはずです。


『大人のコーナリング』はレースしたりサーキットを走るための情報ではありません。また目を三角にしてコーナーを攻める人のための本でもありません。ツーリング中の峠道やワインディングを、不安や恐怖を感じることなく、「楽しい! 気持ちい! 」そして「次のコーナーが待ち遠しい」と思えるライダーのための一冊です。

速く! 上手く! ではなく、自分なりに! 意のままに!

「読んで、走って、リラックス」を合言葉に、皆さんのオートバイライフの傍に寄り添う存在になれたら幸いです。

 


というわけで、本日編集部に仕上がったばかりの本が届きました。発売は明後日11日。全国の書店またはamazon等でお買い求めください。

コインランドリーでカッパが洗える? モンベル撥水コースGoodでしたよ。


9月に発売した『大人のBIKE CAMP VOL.5』で、オートバイ用のカッパの決定版としてモンベルのレインウェアを紹介しました。その理由は、バイク人生25年超の中で「イチバン良かった」カッパだったから。

モンベルのモーターサイクルラインから発売されているレインウェアを使い始めたのは2年くらい前。何が良いって、まず濡れない。着心地も良い。使い勝手も抜群。ファスナーやベルクロが付く箇所も文句なし。上下別売り。サイズ展開豊富。作りの良さ、生地の性能は安心安定のモンベル印。これまで着ていたカッパよりも値の張る高級品でしたが、お釣りが来るんじゃないか!? と思えるほど、お世辞抜きにMC用レインウェアの決定版と思えたカッパでした。

絶賛発売中ですよ。


というわけで、今では編集部に一着、自宅に一着置いておいて、通勤にツーリングにとヘビーに使っていますが、皆さんはカッパのメンテ(というか洗濯)していますか?

レインウェア等ナイロン素材(テント等もそうですね)の性能低下や劣化のイチバンの原因は付着した汚れをそのままにすること。要するに皮脂や泥や埃等。あまり神経質になる必要はありませんが、ある程度使ったなぁ……なんて時に「洗濯+メンテナンス」すると長持ちするわけです。


これまではナイロン素材の繊維を傷つけない、それこそモンベルの専用洗剤を使用し自宅で洗濯→陰干し乾燥→アイロン熱処理、をしていましたが、なかなか面倒なんです。ちなみに最後の熱処理は、レインウェアの表地に無数に立っている超微細な「撥水基」と呼ばれる突起物を立たせるため。

シリコン系やフッ素系等での表面加工で作られる、目に見えない産毛のような撥水基。簡単にいうと、その撥水基=突起物の上を水滴がコロコロと転がることが撥水性の原理。要は蓮の葉と同じなんですね。

昨今は環境に配慮し非フッ素系を使用するメーカーが多いのですが、もちろんモンベル製もそう。長年使用したレインウェアの撥水性が落ちる原因は、この撥水基=突起物が汚れで徐々に寝て(倒れて)しまうためで、再び立たせるためには「熱処理」が必要なのだそうです。そのために洗濯後に低温でアイロンをかけていたというわけです。やるしかないけど、ナイロンにアイロンってちょっと気も遣うし、面倒だったんですよね。


ところが、取材時にモンベルさんから教えてもらったのが、なんとコインランドリーで丸ごと洗えて撥水処理までしてくれるという新サービス。

コインランドリーとモンベルが提携して丸洗い&撥水処理までしてくれるサービスで、まだまだ展開店舗は少ないのですが、徐々に全国各地に広げていくそう。店舗を調べてみると代々木上原店にはモンベル撥水コースが設置されていて、編集部からバイクで5分の距離。というわけで先日行ってきました。

 


Baluko Laundry Placeとモンベルが共同開発したという洗濯乾燥機。レインウェアはもちろんダウンジャケットやゴアテックス等のジャケット類もいけるそう。1700円で約1時間。ファスナー等を閉めるだけで、ネットに入れる必要もなくとにかく楽ちん。


仕上がり後に、グラスに注いだ水を垂らしてみるとご覧の弾き具合。あまりに弾くもんだから、ドボドボッとこぼすような勢いで垂らしてみても全て弾いていましたよ。これでまた1〜2年、雨の中でも楽しく走ることができます。

 


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第43回 『英車の集ひ』 2024-11-2〜3 @伊予ロッヂ, 清里, 山梨〈その1〉


■Event Report
第43回 英車の集ひ 〈その1〉
2024-11-2〜3 @伊予ロッヂ, 清里, 山梨

第43回を迎える『英車の集ひ』。その名のとおり老若男女、イギリス生まれのモーターサイクルに魅せられたオートバイ乗りたちが年に一度“集う”ミーティングが、今年も11月2〜3日に山梨県清里にある、伊予ロッヂで開催されました。

この『英車の集ひ』が初めて開催されたのは43年前の1982年。20、30代で参加し始めたヒトは早60〜70代という由緒ある旧車ミーティングのひとつで、専門店も少なく、英車が今以上にマイナーな存在だった当時から英車一筋、まだまだ現役でゾッコン……なんてベテランの方々が大事に育んできた集まり。

バイクライフを支える仲間、情報、楽しさ、喜びを手に入れ、絶好のバイクシーズンにツーリングに出かけるきっかけにする。そうして長年続いてきた『英車の集ひ』は、一方で、3年前から主催者が代替わりし、数ある旧車ミーティングの中でも、ベテランと若手が上手く融合しているミーティングでもあります。

といわけで今年も、初回から参加し続けるヒト、久しぶりに参加するヒト、数年前から参加し始めたヒト、初めて参加するヒト。英車じゃないけど、英車に興味があるヒト……等々、多彩な顔ぶれが集まった2日間でした。


開催地は八ヶ岳の麓、山梨県清里にある伊予ロッヂ。昔ながらの作りと敷地内の砂利道と木々がクラシックバイクに似合うんです。初日の土曜日は夜中まで雨だったため、今年の二次会は部屋でしたが、夜は焚き火を囲み、英車を眺めながらお酒も飲める素晴らしい場所。写真は最高の秋晴れだった翌日の日曜日。晴れればご覧のとおりのロケーションです。


聞けば、約40年も続いていると、その年、あるいは数年にわたって、集まる車種や年代に特徴もあったりするのだそう。トライアンフ・ツインが多い時、BSAゴールドスターがやけに集まった時、妙にベロセットが多いなぁなんて時……毎年、各地から60〜70台はやってくるため、基本的には1930〜’70年代まで、様々なメーカーの、そして多くの英車に出会えるのですが、長年参加していると誰かが示し合わせたワケじゃないのに、『英車の集ひ』の中でのちょっとした流行りのような流れもあるのだそう。


そうした意味では、ここ数年目立っている存在は戦前モデルを中心としたシングル(単気筒モデル)かもしれません。あまり身近に走っていない印象ですが、これがまた元気よくフツーに(下道も高速も!)走るんです。では、イベントの様子を見ていきましょう。

伊予ロッヂには屋根付きの駐輪スペースが2ヶ所あるため雨天でも安心。


イギリス製オートバイといえば、トライアンフ、ノートン、BSAの2気筒モデルがポピュラーな存在で、シングル(単気筒モデル)というと途端に希少車に聞こえてきます。

実際に1950年代後半から’60年代に生産されたトライアンフを中心としたツインは、戦後主要マーケットだったアメリカで大量に販売されたことや、テレスコピックフォークにスイングアーム+2本サス等、その後の国産オートバイのモデルになったスタンダード然としたスタイリングもあって、日本人にとっても馴染みやすい英国旧車の筆頭でした。


しかし一方で、英車の歴史を遡ると……その歴史が始まった1900年初頭から1930年代まではシングル全盛期。黎明期には100〜200ものオートバイメーカーがあり、どのメーカーも単気筒エンジンで試行錯誤していた時代がざっと30年は続いていたといいます。多くのメーカーがしのぎを削りながら同じエンジン型式で約30年……当然ながら進化・熟成しまくっているワケです。よくよく考えれば、こうした歴史をもつオートバイは英車しかありません。


アメリカでもH-Dとインディアンを中心に、Vツインエンジンも独自の発展を遂げましたが、メーカーの数も含めて、競い合いながら進化熟成を繰り返してきたという意味では、そして現在も戦前モデルでさえもリプレイス部品が豊富にあるという意味では、やはり英車には敵わないのではないでしょうか。国産ではHondaカブ(50cc)やYamaha SRのエンジンが40〜50年と長く生産され続けましたが、これまた競い合いながら進化熟成したというワケではありませんからね。


さらにいえば、イギリスでは1930年代までの試行錯誤の時代にすでにフラットツインも並列3気筒も、4気筒では並列はもちろんスクエアフォーまで……ありとあらゆるエンジンレイアウトがすでに存在していたというから驚きです。おまけに水冷2ストロークもあればベベルギア駆動だってあったといいます。もはやオートバイの構造的進化という意味では、第二次大戦前までの英国でひと通り完成していた!? なんて見方もできるほど。


知らないと近寄りがたい骨董趣味的な雰囲気をもっていますが、ひと通り手を入れ、オーナーがそのオートバイに慣れてしまえば、ほんとにまぁ丈夫だしよく走る。そんな姿を今年もたくさん見せつけられました。だってヤマハSR500よりも鋭い加速をしながら、高速でも平気で100〜110km/hで巡行してしまうんですから。関東はもちろん関西方面からも、多くのオーナーさんが自走できているのも納得なんです。


ちなみに今年は、戦前といっても第一次大戦前!? というアンティーククラスの英車を拝むこともできました(さすがに自走ではありません)。こちらはなんと1911年製というアビントン・キングディック(ABINGTON KING DICK)。オーナーの水谷さんは、以前アサマミーティングでも何度もお見かけしたことのある方で、いつも衣装も含めて皆を楽しませてくれる愛好家。このアビントン・キングディックは、専用レバーを使用して手動でクランクを回すエンジン始動方式で、エンジンがかかった時には思わず皆さんで拍手し盛り上がりました。


こちらはその翌年、1912年製というラッジ・マルチ(RUDGE MULTI/500cc)。
オーナーの加藤さんは、さらに1914年製のトライアンフ・ジュニア等と参加し、多くの人を楽しませてくれました。

では、日曜日に行われたショートランの模様は、次回「その2」で。



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