色褪せた帆布は、手入れでさらに愛着が湧く!? サイドバッグ・メンテのススメ。


実験のため3ヶ月ほどずっとオートバイに付けっ放しで使用していたSIDE CARGO PACK(ブラック)。相当な日数をかけないとここまでなりませんが、日光がいつも当たる部分はどうしても色が褪せてしまいます。もちろん、使い込んだヤレ感を楽しむ上ではそのままでもいいのですが、帆布ならではの手入れを楽しむのもおすすめ。


というわけで、紹介したいのがこちら。フェール・ラーベンのグリーンランド・ワックス。数年前にサイドバッグの手入れでも紹介しているコチラは、スウェーデンの老舗アウトドア・メーカー、フェール・ラーベンの60/40クロスのマウンテンパーカ等に塗り込むためのメンテナンス・グッズで、塗り込むことで防水性と生地の耐久性をUPさせるモノ。

いわゆるブリティッシュ系オートバイ乗り御用達、ワックスコットンJKTのリプルーフと基本的な仕組みは同じ……なんですが、フェール・ラーベンのワックスはパラフィンと蜜蝋をミックスした固形タイプのため、バブアーやベルスタッフの“溶かして”使用するワックスのようなベタつきはなく、作業も楽チンなのが魅力。

 


作業は固形せっけんのようなワックスを直接ゴシゴシと塗り込み、ドライヤーで溶かしながら生地に馴染ませるだけ。写真のように真っ白になるまで塗り込んでも、ドライヤーで溶かしてみると、一回ではさほど変化を感じない程度なので、安心して作業を進められます。


正面から見て、左サイド部以外を作業した写真がこちら。色の褪せ具合やワックスの塗り込み具合にもよるので、回数は参考にしかなりませんが、3回の塗り込み&ドライヤーでこの状態になりました。


さて、残る左サイド部にワックスを塗り込みます。今度は1〜2回で済ませられるように、[写真↑]のようにワックスの“塊”ができるまで塗り込んでみました。


そして仕上がった状態がこちら。いかがでしょうか?

 

 

■BEFORE■

■AFTER■

色褪せの軽減はもちろんですが、ワックスを塗り込むことでコットン生地の目が詰まりますので、多少の撥水効果も期待できます。当然、バッグにはしっかりとした裏地が付いてますので、内側にワックスが染み出ることもありません。

そして楽しみなのが、ここからまた使い込み、さらにワックスでメンテを繰り返すこと。帆布やコットン素材はどうしても色落ちや色褪せは避けられませんが、メンテ次第で別の表情も楽しめると思うとやはり魅力的です。

注) ワックスを塗りこんだ部分の生地は、わずかに厚みが増しハリも出ます。帆布特有のクタッとした感じとは若干、変わりますのでご注意を。とはいえ、そのハリも新品に戻った!?……と思えば気にならない程度。やはりそれよりも生地の耐久性が増していくほうが魅力的です。

 

今後さらに使い込み、ワックスが抜けてきたら再度ワックスによるメンテ。その昔、イギリスのモーターサイクリスト達は、手入れし着続けたワックスコットンJKTを子供に譲る……なんてハナシを聞いたことがありますが、オートバイ同様、長く使うことでさらに愛着も増しますからね。

ではでは、お試しを〜。

 

タンクバッグの再生産、もうまもなくです。


長年お世話になっていた職人さんの引退でお休みしていたタンクバッグ。サイドバッグやシートバッグが再生産を開始しているのにタンクバッグは? という問い合わせもたくさんいただいていました。

というのも、オートバイのバッグというのは求められる要件が複雑で、負荷のかかる部分への耐久性や風雨への耐性など……職人さんにとっては基本的に面倒なことばかり。さらに僕らのバッグの中でもデザインや構造がもっとも複雑なのがタンクバッグ。

高い耐久性と必要十分なしっかり感がある1.2mm厚の合皮素材を使いながら、前後は絶妙に丸みを保ちながらスラントする……この“ラグビーボール”形状が縫製上、厄介な上に、バッグ下部には荷室を拡大するためにさらに生地を重ねる。

お願いする僕らは、「オートバイのフォルムを崩さないこの丸みこそ、イチバン重要な部分ですから」なんて勝手わがままを言うもんだから、そりゃ高い技術も含めてお願いできる職人さんにはなかなか出会えない……というワケなんです。

 

苦節1年半!? 職人さんとの縁にも恵まれ、タンクバッグの最終サンプル一歩手前までこぎつけました。

まずは合皮から再開する予定で、ALL BLACK/白パイピング/赤パイピングの3種類からとなります。また大きさはこれまでのL とLLの中間で、荷室拡大幅はさらに大きくしました。日常使いからツーリングまであらゆるシーンで活躍してくれると思います。

サンプルでパイピングを0.5mm太くしてみましたが、やっぱり本生産では従来どおりに戻した方がよさそうですね。他にもいくつか修正がありますが基本的デザインや雰囲気は従来どおりです。ではあともう少しお待ちください。

[注意喚起!!]サイドバッグの底&背面への、遮熱・保護対策。


今日の話題は「サイドバッグの底面や背面の“遮熱・保護”対策」について。

 

どうやら赤い矢印の方向へ排気熱が出ていたようです。

少し前のブログで簡単に触れましたが、取材でカワサキさんからお借りしたZ900RSにラージサイズのSIDE CARGO PACKを装着しキャンプツーリングへ出かけたのですが、2日後に編集部へ到着しバッグを下ろしたらビックリ!!!!

車体右側(=マフラー側)に装着していたサイドバッグの底面の後方側が燃えて穴が開く寸前。さらにバッグ正面・左側のバックルベルトは燃えて切れてしまっていました。

これまで、さまざまなオートバイに装着し、あらゆる状況で使用してきましたが、これは初めてのこと。よくお客さんでバックルベルトをつけ忘れ、ベルトがホイールに巻き込まれ切れてしまった……というケースは何度かありましたが、マフラーからの排気熱で底面が燃える・焦げるのは想像すらしていませんでした。

基本的にショルダーベルトとショルダーベルト・バックルは、一度決めた位置からズレにくいタイプを選び使用していますが、重たい荷物を収納し、雨天時も含めた長時間走行を続けた場合等、ほんのわずかにバッグが当初より下方にズレてしまうこともあります(とはいえ、大きくズレることはありませんのでご心配なく)。

どうやら赤い矢印の方向へ排気熱が出ていたようです。

Z900RSのようにサイレンサー後端が跳ね上がったタイプのマフラーの場合、装着位置の高さを気をつけていないと、上記のような場合に気づいたら「バッグ底面とマフラー後端が触れていた!」なんてこともあります。


じつは過去に編集部のKZ1000、ホンダGB350等、サイレンサーが跳ね上がったモデルで、走行中にバッグ底面とマフラー後端が当たってしまっていたこともありましたが、バッグ底面は燃えるはおろか焦げることもありませんでした。

Z900RSの時はそうした経験も踏まえ、休憩のたびにバッグの装着位置の高さを確認し、常にバッグ上面とシート上面が同じ位置くらいの高さを維持し、バッグ底面とマフラー後端のクリアランスは5cm以上は開いていることを注意していました。

ところが、Z900RSの場合は、KZ1000やGB350よりもマフラー全長が短く、さらに上向きに跳ね上がっていることから、どうやら排気口の延長上にバッグ底面が当たってしまっていたのでした。下道主体の1泊2日のキャンプツーリングで、二日目の昼過ぎまでなんともなかったバッグ底面でしたが、どうやら最後に走った高速での1時間半の連続走行で、バッグ底面は一気に焦げて・燃えてしまったようなのです。

排気の向きはもちろん、サイレンサーの長さ、そしてサイレンサーに触媒が入る(再度未燃焼ガスを燃焼させる)ことでの非常に高温の排気が出る昨今のFIモデル等……さまざまな要因は考えられますが、大切なことはこうしたリスクを避けるための対策を講じること


前置きが長くなりましたが、〈オートバイのサイドバッグ専用の遮熱・保護シート〉なる商品を見つけましたので、早速サイドバッグに貼り付けてみました。

ヨーロッパ製のこちらの商品、なんとまさに懸案のサイドバッグへの遮熱・保護対策で生まれたようなのです。さすがツーリングが盛んなヨーロッパです。それこそオフローダーやスクランブラー等に付く本格的なアップマフラーの場合は、バッグ背面にこの遮熱シートを貼り付けて使用する……なんて提案もされているアイテム。バイクカバーの内側に貼れば、通常のバイクカバーでも走行直後にカバーをかけられるようになるシロモノ。


おまけに、遮熱シートに貼り付けられた両面テープでバッグに装着するのですが、この両面テープが超強力!! 早速、SIDE CARGO PACK底面に付けてみましたが、布が相手でもまるで剥がれなさそうな勢いの粘着力には驚きました。

※Z900RSでラージサイズのSIDE CARGO  PACKを使用した場合を想定し、遮熱シートを二枚重ねにしてみました。実験走行はまだですが、おそらく平気ではないかと思います。Z900RSのような排気熱が当たる場合ではなく、サイレンサーに触れてしまう程度であれば一枚でも効果はあるんじゃないでしょうか。


とはいえ、雨天時での走行もあれば、キャンプ場等でバッグを地面に置くことも考えれば、ある程度補強はしておいた方がイイ……というわけで、リベットを打つことに。ちょっと面倒ですが、リベットであればバッグのインナーを傷つけずに済みますし、多少デコボコしてもバッグ底面には樹脂板もありますので大丈夫かと。今話題のゴリラ両面テープでさらに補強するのもテかもしれませんね。

また、バッグ背面に装着すれば、遮熱だけではなく車体と擦れ合う部分の保護にもなるため、気になる方はおすすめです。

サイドバッグを長く使い続けるためにも、保護・遮熱シート、チェックしてみてください。

 

 

 

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