[KZ1000]快適キャンプツーリング仕様に向けて。

KZ1000の純正リアウインカーのステーが付くフレーム部分。ウインカーステーの形状に合わせたひし形のゴムブッシュが入っています。

無事にリアウインカーの後方移設を終えたKZ1000。次の課題はこれまで荷掛けフックとしても利用していたリアウインカー・ステーの代わりになるフックを取り付けること。大げさに書いてますがなんてことはない、もともとリアウインカーのステーが付いていたフレームを利用して社外の荷掛けフック取り付けるだけです。キャンプツーリングをはじめ、容易に積載ができることは重要ですからね。リアウインカーの後方移設「勝手に妄想シリーズ 1977〜’78 Z1000(欧州仕様)」の模様は下のリンクからどうぞ。

■[KZ1000]純正流儀でウインカーの後方移設を考える。その1はコチラへ

■[KZ1000]純正流儀でウインカーの後方移設を考える。その2はコチラへ


純正のリアウインカーはステーがフレームにラバーマウントされています。外側はステーの形状に合わせたひし形のゴムブッシュが付いており、内側にはボルトが通る形状のゴムブッシュとカラーが付きます。

 

使用したには、POSHネットアンカー/120mmボルト/20mmカラー×4/10mmカラー×2/ウインカーステー用純正ゴムブッシュ&カラー×4。

荷掛けフックに使うのはSRでも使用し気に入っているPOSH製のネットアンカー。そして120mmのボルトと長さの違うカラーを合計6つ、そしてウインカーステーをラバーマウントする際にフレーム内側で使われていた純正のゴムブッシュ&カラー(まだメーカーから購入できた!)を2セットを別途用意。

フロントフェンダーを外しているのは、じつは数日前にフロント周りで異常が見つかったため…。この件はまた今度詳しく。

SRの時と同様、使い勝手を考慮しネットアンカー自体をグラブレールよりも外側に張り出した位置にしたかったため数ミリ単位にこだわりボルトやカラーを購入しましたが、こうした時に頼りになるのが編集部近所にある「ネジの永井」さん。ワガママ言って何度もボルトとカラーをバイクにあてがい長さを確認させてもらいました。ありがとうございます。


遠目にはあまり目立たないように全てブラックで統一。スッキリした見た目という意味ではもう少し“内側”なのかもしれませんが、実際のツーリングでの実用性を考えるとこれぐらい“張り出して”いないと意味をなしませんからね。

ちなみに“前側”の荷掛けフックはサスペンションの取り付け部を利用したボルトタイプ。たしかKIJIMA製だった…かな。


試しにキャンプツーの荷物を積載。荷掛けフックの位置関係としてはこれまでと変わらないのですが、リアウインカーを後方移設したことでサイドバッグの装着位置もこれまでよりも後方にズラすことができたため全体のバランスが良くなりましたね。

これによりキックスタート時にブーツやスニーカーのカカトがバッグに擦れるストレスからも解放されました……基本セル始動ですが。


KZ1000の時は帆布ダークブラウン合皮ブラックのサイドバッグを使っています。帆布のオリーブドラブももちろん似合いますが、’70年代のオートバイ+帆布オリーブドラブの組み合わせも定番過ぎるかな……と思い、気分を変えて楽しんでいます。

ちなみにサイドバッグの中には着替えやコーヒーセットとシュラフ、焚き火台、そしてキャンプで使う小物等、リアシートにはテント/イス/エアマット/テーブル/タープ/レインウェアを積んでいますよ。

そう、サイドバッグと言えば、現在夏に向けて新たなサイドバッグを仕込んでおりますのでお楽しみに!! 少しずつですが緊急事態宣言が解除されつつありますね。早く何も気にせずキャンプツーに出かけたいものです。

 

 

[KZ1000]純正流儀でウインカーの後方移設を考える。その1


昨年リアウインカーを後方に移設し、サイドバッグが装着しやすくなったことで積載の幅がグッと広がった僕のSR500。そもそもはパニアケースの装着も考慮し、純正でテールライト・ブラケットにウインカーステーが付く“ドイツ仕様”の存在を知ったことがきっかけでしたが、それ以来、旧車、現行問わず、あらゆるモデルのリアウインカーの位置をチェックするようになってしまいました。

■SR500のウインカー移設の模様はコチラへ


最近ではW800が2018年モデルからリアウインカーの位置が後方に移設されましたね。この純正部品は旧W800はもちろん、W650ユーザーさんでサイドバッグ等を付けるヒトにはほんとオススメです。

というわけで、いよいよ情報と部品が揃ったためKZ1000のリアウインカーも後方移設することにしました。もちろん今回もSR同様、徹底的に“純正流儀”で参ります。

KZ1000純正のリアウインカーの位置はリアサスペンションのすぐ後ろ、ちょうどグラブレールが立ち上がる辺りで、ウインカーステーはフレームと固定。取り付け位置や取り付け方法は’72-3年の初期Z1から基本的には変わらない……と思っていたのですが、Z系の歴史を紐解くと、やはりSRのように欧州輸出モデル(※全てではない!?)にはリアウインカーの位置が後方に移設されたモデルが存在していたのでした。というわけで、その視点でちょっと歴史をおさらいしましょう。


1972-73年の初代Z1。リアウインカーの位置は北米仕様の僕の’77KZ1000と同じ。僕の調べでは’72〜’74年までは仕向地を問わずこの位置。※もし違っていたらご教授を!

以前取材したLewis Leathers東京のショップマネージャーが乗る1975年のZ1Bは、貴重な欧州仕様のオリジナル!

こちらはいわゆる900Z1シリーズの最終、’75年のZ1Bの欧州仕様。欧州仕様の最大の特徴は被りの深いリアフェンダーですが、よ〜くリアウインカーの位置をご覧ください。グラブレールからステーが伸び初期Z1よりも“後方”に付いています。当時のカワサキ車で言えばW3もこの仕様ですが、Zシリーズでウインカー位置が後方に移設されたのはどうやらこの’75年モデルから。ところが、被りが深いリアフェンダーが付く欧州モデルでもリアウインカーの位置は北米仕様(初期Z1)と同じモデルもあるため、ひと言で「欧州仕様はリアウインカーが後方に付く」……とは言えないワケであります。やはりSR同様、BMWを筆頭にパニアケースの装着が当たり前の装備だったドイツを中心とした仕様だったのでしょうか!?

1977 Z1000のドイツのカタログ。「NEU」=ドイツ語で「新着」。リアウインカーは’75 Z1Bと同様にグラブレールから伸びるステーで後方移設されています。

同じく1977のZ1000のカタログ写真ですが、深いリアフェンダーと「Z1000」(※1)のサイドカバーエンブレムが付いていることから欧州向けと思われますが、リアウインカーの位置は初期Z1と同じで後方移設されていません。

そうした意味では、上の2枚は興味深い写真。上は「NEU」(=ドイツ語で「新着」)と書かれているとおり、1977年のドイツ向けのカタログ。下も被りが深いリアフェンダーが付いていることから欧州向けですが、上のZ1000のリアウインカーはグラブレールにステーが付き後方移設されていますが、下のZ1000のリアウインカーの位置は初期Z1と同じで後方移設されていません。


こちらも同じく1977年のカタログ写真ですが、リアフェンダーは被りが浅くサイドカバー・エンブレムは「KZ1000」。つまり北米を中心とした仕様。そもそもZ1の名称は「最高、最終のモノ」という思いが込められ頭文字に「Z」が使用された……のは有名なハナシですが、当時の開発ストーリーによると、なんでも’72年以前にすでにA、B、C、D、F、G、H、J、K等、雰囲気や語呂が良いアルファベットは全て使用済みで「Z」と決まったものの、このネーミング方法では限界が見えていたということで、その後「4ストローク・ストリート車」=KZ、「2ストローク・ストリート車」=KH、「オフロード車」=KEとし、その後ろに排気量を組み合わせるネーミング方法を採用することになったそうです。

ところが!? その矢先「KZ」「KONZENTRATIONSLAGER(強制収容所)」の略称として新聞や雑誌等で広く用いられている……という理由で西ドイツから物言いがついた……というのです。

こちらは1977年Z1000のドイツ向けカタログ。サイドカバー・エンブレムは「Z1000」。リアフェンダーは被りが深く、リアウインカーは後方移設タイプ。

1978年Z1000のカタログ写真。細部の言語から判断するとこちらはデンマークのディーラーのモノ。リアウインカーはこちらも後方移設タイプ。

Zシリーズで「KZ」のネーミングが使われたのは’76年からですが、上記の理由からサイドカバーにKZエンブレムが付くのは北米仕様のみで、欧州向け(日本展開の750/650/400等も含め、北米仕様以外すべて)は「Z」で統一。そうした理由ならば全世界で使用しなければ……と思ってしまいますが、なんでも当時、西ドイツの物言いに対しアメリカ側は「そんなイメージはない」と突っぱねたと言います……戦勝国と敗戦国の差でしょうか!? なんとも戦争が尾を引いているとも感じてしまう逸話であります。(※1)

こちらは1978年のZ1000欧州仕様のカタログからのひとコマ。ライダーの雰囲気もジェントルで“GT”してます。リアウインカーは後方移設タイプ。

……話を戻すと、懸案の“純正流儀のウインカー後方移設”問題は、同じ年式、つまり’77〜’78 Z1000欧州仕様のウインカーステー付きグラブレール(↑)を手に入れれば解決! なのですが、これがe bayを探しまくっても一つも出てこないんです!! 値段が高くて手が出ない……ではなく、ここ1年くらい世界中のネットオークションには皆無!! さて、困った。

気を取り直して系譜に戻りましょう。

1979〜’80 KZ1000 Mk II(北米仕様)

1979〜’80 Z1000 Mk II(欧州仕様)

さて、お次は1979〜’80年の2年間のみにも関わらず、現在も絶大な人気を誇るKZ(Z)1000MkII。サイドカバー・エンブレムからも分かるとおり、上が北米仕様で下が欧州仕様。モデルチェンジに伴いリアフェンダーもスチールから樹脂に変わりましたが、北米仕様は「被りが浅く」欧州仕様は「被りが深い」ことはこれまでと同様。そして!! 注目の(僕だけ!?)リアウインカーの位置ですが、北米仕様はしぶとく初期Z1に倣ったリアサスペンションのすぐ後ろに付いていますが、欧州仕様はテールランプのすぐ下に付いているではないですか!! これだけスペースに余裕があれば、それこそあらゆるパニアケースの装着も容易ですね。

1978 Z1R(欧州仕様)のカタログ写真。フロント18インチが採用されたのはこの年だけですよね。不評で翌年から19インチに戻ったと言いますが、乗ってみたいものです。

じつはコレ、よくよく調べるとひと足先に’78年のZ1R(欧州仕様)から採用されております。

 

ドイツのカタログと思われるこの写真は、カムカバーの形状からも[左]が’78 Z1Rで[右]が’79 MkII。schon immer ihrer Zeit voraus=常に時代を先取りする……という意味。

そしてそして、またしても興味深い(僕だけ!?)カタログ写真がこちら。言語からドイツでのカタログであることは間違いないのですが、左の’78 Z1Rはリアフェンダーの被りが深くリアウインカーはテールランプのすぐ下に付いているにも関わらず、右の’79MkIIは被りの深いリアフェンダーは共通ですが、なんとリアウインカーの位置は初期Z1や北米仕様と同じ位置!?

つまり……ドイツを中心にユーザーやディーラーからの要望を受け、グラブレールにウインカー後方移設のためのステーを付けた’75年のZ1B以降、欧州向けのZシリーズにおいては「ウインカーの位置を選べた」もしくは「オプションで変更できた」と考えるのが妥当ではないか!? と結論づけるワケであります(論文調?)。カワサキさん、教えてください!

 


そして!! こうした事実を研究しながらネットの中を探しまくった結果、なんと欧州仕様のMkII用と思しきウインカーステー付きのテールライト・ブラケットをゲットできたのであります!! 要するに、構造はドイツ仕様のSR500と同じですね。果たして僕のKZ1000に付くのでしょうか!?

■SR500のウインカー移設の模様はコチラへ

その2に続く。

セニアな先輩方と走ると楽しいなぁ。


気がつけば、今年はまだ2月だってのに、日中は春にツーリングしている気分にもなれますね。朝から青空が広がった連休最終日の月曜日、この日はYASのW1仲間の“セニア”な先輩の方々とツーリング。「発起人がNさんだから今回も地図に載らないようなクネクネ道ツーのはず」……と予想し、KZ1000ではなくSR500で出発。

待ち合わせは9時大磯。やや遅刻気味で急いでいたら第三京浜・港北辺りであずきのW3を発見。近々YASブログでも報告があるかと思いますが、前日ポイントをバッチリ調整したW3は「えらい気持ちいい」そうで、第3京浜〜横浜新道〜国道一号〜西湘バイパスと、500シングル650ツイントルクで走る心地良いペースで大磯に向かいました。大昔のイギリスでも500シングルと650ツインがしょっちゅう一緒に走っていたんだろうなぁ…。


大磯にてブリジストンに乗る主宰Nさんを筆頭に計9台が集合。ツーリングスタートです。

小田原城横にある小学校は校舎の雰囲気も色合いがお城風? 一見学校に見えない小学校でした。


晴天の連休を忘れるほどクルマのいない快走ルートを繋ぎ合わせ、小一時間ほど走り「もう少ししたら休憩したいなぁ…」と頭をよぎる少し前にしっかり休憩を挟む、Nさんの素晴らしいツアコンぶりはもはや職人の領域!? 何十年も乗り続ける“セニア”ライダーならではの、道の熟知ぶりはほんと憧れます。東京から1〜2時間ほどの場所なのに「ずいぶん遠くにきたもんだ」と思わせてくれる最高のツーリング。

 


今日のお昼ご飯は「万葉うどん」。南足柄の山の中にポツンを現れるお店は開店すぐに満席になる人気ぶり。お店のオススメ&一番人気は“カレーうどん”でしたが、初めてのお店ではその店のスタンダードを食べたい派の僕は“湯うどん(¥500)”をチョイス。マイお箸を持っていくと大盛り無料とのことで、常連のセニアな先輩は皆マイお箸を持参。さすがです。麺つゆに輪切りのレモンが入る粋な“湯うどん”は、喉ごし抜群で腹持ちもいい、ツーリングに最高のご飯でした。夏場に食べるザルうどん(¥500)もゼッタイ美味いだろうなぁ。


昨年秋に制作したムック本「大人のSR」の取材でも、もう一人の熟練のセニアライダーの方にこの辺を案内してもらいましたが、足柄〜秦野周辺はかなり“深い”道がたくさんありますね。

群馬・伊勢崎から参加のセニアライダーNさん。W3の他にCB750/CB450等も楽しむベテランで、ストバイ時代から取材でもお世話になっております。いつもストバイ ・タンクバッグ&サイドバッグのご愛用ありがとうございます!!


お腹が満たされたところで記念撮影。今はスマホでもタイマー撮影できる時代。うっかりしてると、旧車のことのように最新スマホ機能についても教えてもらう始末。知識と経験は50〜60代元気と好奇心は20〜30代セニアな先輩達……もはや最強!?

 

先導Nさんの後ろを走り撮ってもらいました。どーでもいい情報ですが、後頭部がでこぼこのため、正面から見るといつもヘルメットが少し斜めを向いてしまいます。


濃い青空をバックに満開の梅を楽しめるのは冬が終わらない今頃の魅力ですね。最後の休憩地は源実篤の首塚がある!? という道の駅。話題は梅や桜の話から歴史まで……皆さんオートバイ以外の雑学(!?)にもこれまた詳しい! 最後にまた記念撮影し、向かうはYASもしょっちゅうお世話になっているW1工房厚木基地。


久しぶりに顔を出すと天高くそびえる“カワサキ”の看板!! 青空に映えるその凛々しさは満開の梅以上であります。


アメリカ輸出は不振に終わったW1シリーズですが、’68年当時、さぞカリフォルニアの青空の下でもメッキタンクのW1Sは輝いていたんだろうなぁ。


この日も一台のW1Sが不調から復活。

次から次へとW1仲間も集まり夕暮れまで楽しくのんびり過ごさせてもらいました! いつもありがとうございます。いやぁ正味5〜6時間でしょうか!? 身も心もお腹いっぱいの大満足ツーリングでした。Nさん、またご教授お願いいたします!!

※写真も一部、Nさんから拝借しております。

 

[オマケ]


こちら、ツーリングも一緒だったIさんのW1S。帆布オリーブドラブのLONG TOURタンクバッグのLサイズを愛用してもらっています。丸いフォルムがW1Sタンクにも似合っていて嬉しくなりますね。ありがとうございます。

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